プロローグ
雪の街から#5
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一連の茶番が終わり、一息したところで樹生が頼んだチョコケーキを持ってきた。
何だかも申し訳なさそうな顔を浮かべてい。
だがちょっと待ってほしい。
元はと言えば渚怺が引き起こして勝手に自爆したに過ぎないことであって、決して樹生には一切の非がないと言ってもおかしくない。
樹生「うちの渚怺さんがすいません。渚怺さんには私からきつく言っておきます。」
多流人「あ・・・いえ。お構いなく。」
そんなこと言われると逆に責め立てられなくなる。(渚怺を)
今更どうこう言っても仕方ないし、何よりも樹生の配慮を尊重したかった。
だが・・・
渚怺「いやいや〜ぁ。それほどでも〜☆」
反省の色が全く見られない。
誰かあいつに本当の成敗を見せてやってほしい。
今心からそう願った。
樹生「渚怺さんもう一発活を入れておきましょうか??(棒)」
渚怺「やめて!!これ以上殴られたら産まれてきちゃう〜ぅ///・・・」
樹生「何言ってるんですかぁ・・・(諦)」
呆れている様子だ。
そうこうしているうちにケーキを食べ終わる。
俺はこれからどこへ向かいべきだろうか?
そんなことを心配していると、
女性客「あ、あのぉ〜・・・」
隣に座る女性客が話しかけてきた。
多流人「は、はい。何でしょうか。」
女性客「失礼ですが、この店に来るのは初めてですか?」
多流人「というよりも、この街に来ること自体が初めてのようなもので、今日からこの街で暮らすことになったと言うのにも関わらず、家への道がわからなくて困っていたんです・・・ってあ!・・・」
やべぇ、つい口走ってしまった。
俺が言うのもアレだが、あまりにも恥ずかしく馬鹿々々しい話なので、これ以上誰かに聞かれたくなかったし話したくもなかった。
何より聞いて悪い話に思えてきたからだ。
女性客「それは困りましたねぇ・・・地図とか持っていないんですか?」
多流人「あるんですけど、たぶん解読できませんよ。」
女性客「ちょっと貸してくれないかしら?」
多流人「っあ・・・い、いいですけど・・・」
渋々手紙を渡す。
何だかいい人だ。
いきなり変なことを言い出して立ち去る変人がいれば、この人のように親身になって見ず知らずの人を助けようとする優しい人もいる。
この街はそんな人たちで支えられていた、と実感する。
女性客は手紙をクスクス笑いながら見ていた。
大体予想はつくからいいけど・・・
女性客「ごめんなさい。つい・・・」
多流人「あ、いえ、気にしてないんで。(棒)」
再び地図を見て少し険しい表情になる。
やがて渚怺を呼びだし、俺の親が書いた汚い殴り字の手紙を見せる。
すると答えはすぐに帰ってきた。
俺が予想だ
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