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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第57話 綴るモノたち
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望のほうとなると些か問題があるな。」
「確かに、あの二つの国外への持ち出しとなると各方面からの反発があると思われます。」

 報告書を手に具申する真壁、それはテロ情報を欧州で手に入れた忠亮が城内省へと送付した意見書だった。
 そこには今回のユーコンへの移動と、来るべき日にテロに介入することで日本の影響力を高めるための計画が記されていた。


「それに99式を実戦で扱うともなれば、事前の実射試験は必須―――それに加え現地での防衛など他国勢力の手に渡れば厄介どころの話ではないですよ。」

「そうだな、だが危ない橋を渡るだけの価値はある。其方は工作を続けていくとしよう、時間はまだあるからな―――例の即応集中団に関してのほうはどうだ?」
「国内に於いて、という事であれば戦術機部隊として一個中隊なら組み入れることが可能とのことです。
 帝国軍に零式(タケミカヅチ)の限定的配備を行うという意見も出たそうですが城内省が首を断として盾には降らなかったそうです。」


 即応集中団、通称CRF。
 防衛大臣直轄の機動運用部隊だ。BETAによる本土蹂躙と明星作戦以降による本土奪還に合わせて作成された防衛大綱によって創設される部隊だ。

 人員は約4500名、三個部隊が予定。
 本拠地を神奈川に起き、新潟・佐賀・長崎・樺太など対BETA防衛線における不測の事態に於いて即時展開、遅滞戦闘と残存部隊の編制、バックアップなどを行うことを主目的とした部隊であると同時に、国内テロに対する即応も兼ねることが予定されている。

 その特性上、機動力と出力に秀でながら稼働時間の長い武御雷を求めるのは理にかなっている。
 しかし一時期、武御雷を帝国軍に配備する話も出たが、生産性の悪さと整備の煩雑さからまともな議論も無しに流れた経緯がある。

 ―――今から、武御雷を配備しそのバックパック人員を含めた部隊の創設を一からするのであれば最低半年は期間を要する。現実的ではない。
 しかも、瓦解した戦線での遅滞戦闘では野戦整備が常となる。ならば其処に存在するアフターパーツを使える機体のほうが都合がいいのは合理であり、その面からも武御雷を使うのは非合理となる。

 また斯衛軍を実質統括している城内省にとって、専用機というアイデンティティを失うのは絶対に避けたい案件でもあった。
 その折り合いとして出されたのが斯衛軍と帝国軍の混成部隊だ。

「……藤原を配するとするか。しかし、今の状態は難しいな―――冬に入る前に佐渡ヶを落としておきたいが、無理な相談か。」
「三つの戦線、その中で国内のハイヴは一つしかありませんから外交的な準備には相応の時間が掛かります――――世界大戦が危惧される現在、諸国との関係悪化は回避すべきでしょう。」


 世界大戦、その
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