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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜風雪の忍と光の戦士〜
第八話 運命 ―デスティニー―
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思い浮かべてみればわかりやすいだろう。縦と横の二軸を合わせてクレーンを景品に近づけ、取る。しかし自分が想像した距離感と実際の距離が一度で一致するのは、極めて稀なことではないだろうか。乃愛はそれを実行しつつさらに高さも加味し、かつ六つ同時に操作しながら自分も攻撃しているのだ。どれだけの離れ業をやってのけているのか、わかるというものだろう。

「とはいえ、それを捌いてる渚も相当なもんですけどね」

「おや疾風さん。“青き氷の剣使い”とお知り合いで?」

「前に何度かやりあったことがあるだけですよ。なんか気に入られたのか再戦はよくしますけど。他にも何人かお気に入りの剣士がいるとかで……なんだっけ、最近話したところだと“雷切”とかいう技を使うデュエリストが良かったとか言ってたような。まぁ、俺も剣縛りの戦いなんてそうそうしないですからね。楽しくはありますが」

 そう、疾風も戦ったことがあるという“青き氷の剣使い”こと(かつら) (なぎさ)は、時折相手に純粋な剣のみでの試合をもちかけることで知られている。その理由を知る者はそう多くはないのだが、疾風は話の流れで聞かせてもらったことがあった。

「なんでも、渚のデバイスには変化形態が一つもないらしいんですよ。でもそれならそれだからこそ、剣技だけでどこまで行けるのかやってみたい、って……魔法がちょっと苦手、っていうのも言ってましたけど」

「なるほど、そうだったんですか。ということは今日は剣での決闘モードってことでしょうか。属性持ちなのに氷を使われていませんし。それに合わせてなのか、乃愛さんの方もスキルを使われていないようですが」

「だと思いますよ。とはいえ、あんまり手数が多いと対応しきれないみたいですけど……っと、言ってるそばから」

 と、二人の見つめるモニターの先では、渚が乃愛のソードビットと剣の同時攻撃を受けて倒されていた。それで決着となり、乃愛の勝利となる。

 対戦が終わった二人はシミュレーターから出て二言三言話すと、別れて歩いていった。乃愛の方をなんとなく見ていると、彼女に向かっていく一人の少女の姿があった。オレンジの髪をふんわりとコンパクトにまとめた、優しそうな雰囲気の女の子だ。

「やりましたね、お姉様! カッコよかったです!」

「あぁ、フィリア。ありがと、結構キツかったけどなんとかなったわ」

「キツかったなんて、そんな風には見えませんでしたよ?」

「ううん、ちょっと危なかった。やっぱりこっちはスピード系で向こうはパワー系だから、向こうの攻撃には当たっちゃダメだわこっちの攻撃は当たってもダメージが少ないわで……」

「さすがですお姉様!相手に勝っても自己分析を怠らないその姿勢……素晴らしいですわ!」

「にょわぁ! ちょっとフィリア!
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