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虚弱ゲーマーと似非弁護士の物語 −求めたのは力では無く−
Act2 仮想世界
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かった。あいつの人外ぶりはこのVRMMORPGでこそ相応しかった。あいつ自身の強さに指揮能力の高さ、加えて百戦錬磨を感じさせる戦術眼を駆使させて、たった一週間で以前とは比べ物にならないほどにケットシー領の強化に成功したわ!
けどアイツを迎え入れた事で別の問題が発生してしまった。
アイツの面倒見の良さは異常過ぎて、対象の誰かを悉く誑してこんでいく。
それを
ケットシー領
(
此処
)
でも無駄に如何なく発揮したアイツに誑し込まれた領民は半数以上に上って、今や私よりも人気が高い。
別にアイツのクーデターを心配してるんじゃなくて、アイツの影響力が士気に関わってることが問題なの!
アイツ
現実
(
リアル
)
が忙しいからって、あれ以来ログインしてくる回数が極端に減って、アイツが来なくなる期間が長くなると半数以上の領民の士気が駄々下がりになる。
こうなったらアイツには毎日ログインしてもらうしかないと催促のメールを送っても、リアルが忙しいとだけしか来ない。
勿論抗議のメールを送っても論破される毎日だ。
来る日もあるけど、毎日来てくれない事に腹が立つわ。
だけどそんな日々も慣れてきたけど不満は堪る一方。
そこで久々に外に散歩しに行こうと、警備の者たちの目を盗んで、側近を2人ほど連れて外出してからプーカの二個中隊と遭遇してしまった!
何でよりにもよってこんな日に!―――――いや、違う。これは不幸な偶然の出会いなんかじゃない。
前々から別のプーカのスパイがいるんじゃないかと噂があったし、多分それだわ!
でもそんな事が今分かっても何の意味も無い。最早これまでと覚悟した時だった。
「え?」
「「へ?」」
「びゃ?」
私に一番近くでランスを突き出して来ていたプーカの左胸と額辺りに、いつの間にかに矢が突き刺さっていた。
射貫かれてる本人すらも自分に何が起きたのかも理解しないまま、ポリゴンの屑となって私の目の前で消えて行った。
突如として起きたこの現実に私は勿論、仲間を突然やられたプーカたちも驚いていたが、彼らにはその暇を与えてはもらえない様だった。
先に消えて行ったプーカと同じように、何所からともなく1人づつに矢が二本飛来していき、先と同じ個所に突き刺さってポリゴンの屑えと還られて行く。
この事態に私の側近は今も驚愕しているが、私には似たような光景を見た事があって、それがデジャヴっていた。
弓道着に身を包んだ赤い髪のボーイフレンドが、そこに居る全ての人の目を集める程の射を見せた瞬間と重なるの。
いつの間にかに番えていた矢が的の中央に中でていた時の光景―――――って、私達を囲っていたプーカたちの最後の一人が射殺されたところで気づいた。気付いてしまった!?
「よりにもよって、アイツも如何して
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