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虚弱ゲーマーと似非弁護士の物語 −求めたのは力では無く−
Act2 仮想世界
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たいと言う気持ちが先行して率直に今考えた事だけを口にする。
「常人にはまねできない武功を挙げた者や、多くの人間を救い出した人じゃないですかね?」
「ふむ。では君の語る英雄が現代に現れた時、その末路とはどの様なモノだと考える?」
「末路・・・・・・?」
流石にこれには先程とは違い長く考える和人。
「・・・・・・日常に帰るじゃないんですか?」
「帰れると思うかね?その様な結末、親しい者達は受け入れても社会と言うシステムが許さないだろう。故に現代での英雄の末路とは、社会と言うシステムに異物が発生した時、それらを排除して世界を継続させるための“奴隷”だ」
「奴隷・・・・・・」
「君はそんな末路に堕ちないでくれたまえよ?
キリト
(
・・・
)
君」
「・・・・・・・・・・・・え?」
本名では無くSAOでのアバター名で呼ばれた和人、は思わず老紳士へ向けて振り向くが、そこには誰もいなかった。
荷物は勿論、此処まで自分を手伝わせた本人も。
あの重い荷物を持って瞬時に消えたと言うのか?
有りえないと思いながらも、目の前の現実に狐につままれた様な顔をする和人。
とは言えすぐに復帰して、周囲の何所にもあの老紳士が居なくなったことを確認してから家に帰宅する事にしたのだ。
そして数時間後、士郎の親友のギルと共に和人もまたSAOの世界に囚われる事になったのだ。
−Interlude−
――――一年半後。
士郎は本業の弁護士の仕事に暇が出来たら色々としているが、その中の一つとしてダイシー・カフェの手伝いをしている。
本来の店主であるギルは今もSAOの仮想世界に囚われているので、奥さんが女手一つで今も店を切り盛りしているが、そんな店の現状の弱みにつけこむ輩が一年ほど前に現れたが、弁護士である士郎が物理的法的の両面(物理的は非公式)で下種を完膚なきまでに叩きのめしたこともあった。
そうして店主不在のダイシー・カフェでのある日の事、久しぶりに店に手伝いに来ていた日の閉店間際に、ギルの奥さんから相談を持ち掛けられました。
「VRMMORPGをしたい・・・・・・ですと?」
「はい。
ギル
(
あの人
)
が今も、どんな世界で過ごしているか知りたくて・・・」
これはちょっとした惚気だろうか、旦那の状態に少しでも寄り添いたいと言う愛情表現なのでしょう。親友とは言え、此処まで愛されているとちょっと妬けます。
そして勿論士郎に断る理由はありませんが、
「アミュスフィアとALOのソフトが無いと出来ませんよ?」
「それはちゃんと用意していますが・・・・・・もしかして士郎君、既に体験済みだったりしてます?」
「はい。近所の知人に半ば強引に誘われて、もう半年以上前に。ですか
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