艦娘とスイーツと提督と・12
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程から漣の大福を食べる手がピタリと止まっていたのだ。理由は勿論、胃袋のキャパオーバー。ただでさえ大粒のあまおうを3粒もぶちこみ、それを包み込むだけの量のあんこと苺入りの牛肥で覆っているのだ。普通のいちご大福の数倍の重量がある、『化け物大福』と化していたのである。その証拠に、漣は苦しげにゲフッとゲップをしたりしている。
「そういう過ちを重ねて、人は大人になっていくモンだ。良い勉強になったなぁ?漣よぉ」
「ウッス……苦しっ」
とりあえず、残った大福は幾つか持ち帰り用に包んでやり、残りは妖精さん達の慰安に使わせて貰う事にした。
「食ってよし!」
と俺の号令一下、ワーッと大福の山に群がる妖精さん達。この様子だと、そんなに時間も掛からずに消費してくれる事だろう。
「しっかし、ホントウチのご主人様はチートっスよねぇ」
「あん?どこがだよ」
腹が満たされたのか、口直しの緑茶をズズズと啜りながら漣が呆れたように呟いた。
「だってぇ、肉弾戦なら艦娘を圧倒、軍事にも明るいし戦略・戦術も的確、人脈もパねぇの持ってて、リアルハーレムの王様で、料理が一級品とかどこのセ〇ールですか」
提督を合気道の有段者にして、『海軍最強のコック』の異名を持つ役を演じたアメリカの有名俳優に例える漣。提督は『あんなチートと一緒にするな』と言いかけはしたが、指摘された発言の殆どが的確に物事を捉えていた事を理解して黙り込んだ。
「てか、セ〇ール一人じゃ釣り合い取れませんよね?何人分ですか〇ガール」
「知るか」
そもそもスティーブン・セ〇ールは単位じゃねぇし、何人分で自分一人と釣り合うか?等と考えた事は無い。大体にして自分はあんな(演技上の事とはいえ)チートの塊みたいな人間ではないと思っていたのだから。
「ま、そんなご主人様のお陰でこの鎮守府は天国なんスから無理だけはしないで下さいよ〜?」
「お前……意外と他人思いだったんだな、漣」
「ひでぇ」
そんな容赦の無いやり取りが出来る奴ってのもそうそう居ない。ロリコンって訳じゃあねぇが、こういう人材は大切にしていこうと改めて思い直したりした。
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