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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
66.最終地獄・蹈節死界
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裸になった男が刀を抱えてドカリと座る。

「服どうした?」
「破れた。下が残っているだけ上等だろ」
「まぁお前ならなくてもいけるって。ダビデ像みたいな感じで」
「お断りだボケナス。お前と違って俺は文明人であることに誇りがあるんでな」
「ひでぇ」

 金髪の男の暴言に苦笑いしながら、長身の男は鞄から二つのグラスと一本の酒瓶を取り出して、片方を金髪の男に渡す。受け取った傍から酒を注いだ男は、自分のグラスにも注いで、瓶を置く。

「任務完了だ。これで文句ないだろ?」
「ま、俺としてはお前が生きて帰ればそれでいいんだがな。今回は俺が先にグロッキーだったから正直参ったよ」
「鍛え直してやるから心配すんな。俺の心優しさに感謝しな」
「スパルタの予感しかしねぇよ。ま、それはそれとして………色々な記念を祝して、乾杯!」
「色々ってお前……ふん、乾杯」

 きぃん、と甲高い音が響いた。
 やがて騒がしい面子が集合するまでの数分間、二人のささやかな祝杯は続いた。
 
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