第3章 リーザス陥落
第95話 戦術的撤退
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お前が知ってんだ!? それにお前の何処に慈愛があるんだーーー!!」
「へへへ。オレとミリは飲み友なんだよなぁ」
きゃいきゃいとはしゃいでるフェリスとロゼ。
それはそれでいつも通りだって言っていい光景だけど、ユーリはフェリスの言葉の重みはよく判ったつもりだ。
「……フェリスもオレたち同様に 仲間だと思ってくれてるんだな。じゃなきゃ 心配する様な事は言わないだろ。……人間に真名を知られて、今の状況になってしまってる。オレやランスが死ねば 完全に自由になるのに、オレの事を心配するなんてな」
ふっ……と静かに笑うユーリ。
「だが、見捨てるなんて選択肢だけは……約束は出来ないぞ。フェリス」
ユーリの返答を訊いたりせず、ロゼと楽しそうにしてるフェリスを見て、そう呟くユーリだった。
確かに間違ってない。……ぜーーんぜん間違ってないんだが、やはり肝心な心の機微の部分は、如何に悪魔であっても女の子の面があって その部分だけは読み取る事が出来ない様子。……ロゼがあそこまで 正確に心を読みつくして からかって遊んでいるというのに、流石の一言だ。
「……ばか」
「ぅぅ……」
そんなユーリを見て、色んな意味で複雑な志津香とかなみ。
そして 他の想い人達も複雑だった。
一先ず、作戦を一から考え直す と言う事でノースの街に設置している作戦本部へと戻っていくのだった。
〜リーザス城〜
解放軍が攻め込んできた報せは確かに受けた。
その時こそ、絶望感さえ覚え始めていたが 今は違った。
「報告します! リーザス軍、完全にノースの街へと撤退しました!」
そう、解放軍の攻めを凌いだ。凌いだだけでなく手酷く追い返したのだ。
それを訊いてパットンは思わず玉座から立ち上がった。以前までの心境ではない。
「おおおおぉ!! よくやった! うわはははははははは!!」
それは待ちに待った。待ち望んだ報告だったからだ。
大きく太い掌で思わず打ち合わして、拍手喝采だ。
「思い知ったか、リーザスの阿呆どもめ! 愉快愉快! カッカッカ!」
「はっ! この堅牢なリーザスの壁に、我らの魔物使い部隊の隊長の力が合わされば、容易い事でございます」
「おう! 確かにあのコンタートルを無数に揃え、且つ忠実に操っているのだ。並の使い手ではない事はよく判った。じつに見事だ。……その名は何と言ったか」
「デストラー・デストラー様にございます」
「そうだったな! うむ、いいぞ 後で褒美をやらんとなぁ……。金でも女でも、爵位でも構わんぞ!」
「お伝えしておきます。では……」
伝令に来た兵士が下がった後。
「その
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