暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第95話 戦術的撤退
[7/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
使って、そして 人間の装備で抵抗を続けているまでは まだ比較的安全だ。……魔人が来ていないだけな」
「っ……。そ、そうですね」

 そう、まだこれは序の口。本当の最終決戦の序盤戦だ。魔人が連続して出てくるその時が真の戦い。……それまでに消耗をする訳にはいかないだろう。

「手を怪我してますよ。ユーリ。いたいのいたいのとんでけー」
「っ……っと ありがとな。クルック―」
「当たり前の事をしただけですよ。……でも ユーリ。あまり無茶はしないでください」
「はは。クルック―にまで心配をされてしまった、か……。気を付けないといけないな」

 この中で一番冷静かつポーカーフェイスなのは盤上一致でクルック―だ。
 そんな彼女が僅かに表情を暗くさせて ユーリにそう言っている。志津香にも言われている事だが、やはり身に染みるというものだった。
 
「……当然だ」
「フェリス。大丈夫なのか?」
「……ああ」

 そこにやってきたのはフェリス。
 傷は浅く クルックーやセル、そして一応ロゼの神魔法も効果がある様でそれなりには回復が出来ている様子だ。だが、何処か表情がきつくなっている。

「ユーリ。私は悪魔だ。……日光の下でも人間よりはずっと頑丈に出来てる。お前の強さは私も認めてるし、いや 強過ぎるとも思ってる。……だけど ユーリ。お前は 心臓が止まれば死ぬ。頭を撃ち抜かれれば死ぬ。頭を斬り割られれば死ぬ。……その辺りは普通の人間と変わらない1人の人間だ。だからせめて、私くらいは見捨てる覚悟で戦闘に出てくれ。……私はあの程度じゃ死なないんだ。無理をしてまで助けるな。自分の身体の事も大事にしてくれ」

 その言葉を訊いて、周囲の視線が彼女に集まったのは言うまでもない。

 出会いは最悪だった。

 人間に仕える等と、普通の悪魔にとってすれば 堕ちる所まで堕ちた、と言っていい。(例外のダ・ゲイルやリターンデーモンは置いといて)
 そんな間柄だというのに、彼女も心底ユーリの事を心配している。それがよく判る。
 
 つまり……。

「とうとう悪魔っ娘まで落としちゃったのねん? さーすがユーリってとこかしらぁ?」

 と、ケラケラと笑いながらそういうのは 同じく悪魔を使役している異端である意味ユーリ達よりも異常なシスターロゼ。

 そして当然ながら その言葉を訊いて、思いっきり噴き出してしまうフェリス。

「ななな、何言ってんだ!! この不良神官!!」
「ミリに、『誰が落ちるか!』って啖呵切っちゃったのに、しょーがない娘ね〜? よしよし。ちゃんと仕事を終えたらセッティングしてあげちゃおっか。このシスターロゼ! たとえ悪魔であっても等しく慈愛の心をもってるのよん♪」
「だから、何言ってんだーー!! っていうより、何で
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ