第3章 リーザス陥落
第95話 戦術的撤退
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ぁ、とっとと下がって来い! 潰れてぺちゃんこになっても知らねぇぞ!」
かなみ、そして ミリも仲間達を呼び返していた。
『おお! 流石!!』
皆の奮戦を見て改めて士気が戻ってくるのだが……。
「しかし、この物量はまずい。皆の者! 防いでくれている間一度退くのじゃ!!」
持ちこたえた兵達にバレスはすぐに指示を出して退却を促す。切り替えの速さは流石の一言だ。それが功を成し何とかこれ以上の被害を出す事はなかった。
「……むぅ。何をしている。やつらめ」
ランスは不満気味だったが、ひっきりなしに降り注ぐ岩石に阻まれてしまっている事態を見れば 無理だという事くらいは判る様だ。
「ちぃ、おい フェリス!」
「………嫌な予感」
今回も最初から呼び出しているフェリス。日の高いときにフェリスを呼び出すのは少々気が引けるユーリだったのだが、ランスに呼び出され 色々と酷使されてしまえばフェリスにとっては更に最悪だという事は判る。
事前にそれなりの打ち合わせをフェリスとしていて、フェリス自身は昼間であっても 呼び出される事は気にしていない様子だった(但し ユーリに限る)
勿論 今まで通り『ランスの事も助ける事。戦争に関係のある範囲で。関係ない事は拒否してくれて良い』と言う条件付けで。
それが何度も救ってくれていたのだが……、今回はそうはいかなかった。
「ちょっくら向こうに行って空から城内に回って門をこじ開けて来い。空からなら岩石を躱せるだろ? がはは。これは戦争に関係のある命令だぞ!」
「う……やっぱり。日光の舌でまた無茶な事を………。平常時の半分以下って言ってるのに」
「やかましい! 今までは盛大にオレ様の命令をサボってくれたのだ! 今回はキリキリと働け!」
ランスの言う通り、ランスの命令は殆ど無視していた。(まるっきり戦争に関係ない主にエロ関係だったから当然だ)だけど、確かに今回の件は関係ないとは言えないだろう。……おまけに唯一の救いであるユーリはこの場にはいない。……そう、まだ兵士達を逃がす為に皆と戦線に……。
「っ………!」
その姿を見たフェリスは、直ぐに決めた。
「……行ってくる」
「フェリスさん……」
心配そうに見つめるシィルに軽く手を振って、フェリスは空へとゆっくりと浮かびだした。
「むぅ、何だか妙に腹が立つが いまはそれどころではない。とっとと開けて来い! 成功すりゃ勝ったも同然なのだ」
フェリスの心情を野性的勘で気付いたランスだったが、今優先させる事をしっかりと判っている様で、追及は無しで指さした。
フェリスは空に浮かびあがってすぐに翅をはばたかせて移動を開始した。
直ぐに到着したのはユーリ達の真上
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