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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
顧みられる心
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トとアスナの本当の子供ではない。
相手は血の繋がりが一切ない上、命のないただのプログラムだ。人間だと認識するほうがおかしい。そんな歪な存在を、自分達の子だと言い切れるものか。どれだけ亡き者を思い続けても、その人は決して戻ってこない。それが心と身体に大きな傷痕を持ってしまった俺の現状だ。
ユイが光に包まれて消滅した後、石畳に膝を突いてとめどなく涙を零すキリトとアスナを見ながらも、俺は沈黙を貫こうとするが、悲惨な光景にとうとう嫌気が差してきた。
「……ぐっ!」
ギリッと歯を食い縛るや、俺は突然部屋の中央の黒いコンソールに飛びついた。表示されたままのホロキーボードを素早く叩く。驚きがほんの一瞬悲しみを遠ざけ、キリトとアスナは
瞠目
(
どうもく
)
しながら叫んだ。
「ね、ネザー君……!?」
「何を……!?」
「今ならまだ、GMアカウントでシステムに割り込める」
冷静さを保ちながらもキーを乱打し続ける俺の眼前に、ぶんと音を立てて巨大なウィンドウが出現し、高速でスクロールする文字列の輝きが部屋を照らし出した。2人が見る中、俺は更にいくつかのコマンドを立て続けに入力した。小さなプログレスバー窓が出現し、横線が右端まで到達したかどうかという瞬間__。
不意に黒い岩でできたコンソール全体が青白くフラッシュし、直後、破裂音と共に俺が弾き飛ばされた。
「ネザー!!」
「ネザー君!!」
キリトとアスナが慌てて床に倒れた俺の傍ににじり寄る。
頭を振りながら上体を起こした俺は、
憔悴
(
しょうすい
)
した表情の中に薄い笑みを浮かべると、アスナに向かって握った右手を伸ばした。訳もわからず、アスナも手を差し出す。
俺の手からアスナの
掌中
(
しょうちゅう
)
に零れ落ちたのは、大きな涙の形をしたクリスタルだった。複雑にカットされた石の中央では、とくん、とくんと白い光が
瞬
(
またた
)
いてる。
「こ、これは……?」
「……ユイが起動した管理者権限が切れる前に、ユイのプログラム本体をシステムから切り離し、オブジェクト化した。言い換えれば、ユイの心をシステムから切り離した」
それだけ言うと、俺は精根尽き果てたかのように床にごろんと転がりかけた。キリトは、アスナは手の中の宝石を覗き込んだ。
「ユイちゃん……そこに、いるんだね……わたし達の……ユイちゃんが……」
「ああ……ユイの心は……ここにある」
再び、とめどなく涙が溢れ出した。ぼやける光の中で、アスナに答えるように、クリスタルの中心が1回、強くとくん、と瞬いた。
キリトとアスナがクリスタルを
慈
(
いつく
)
しむように眺める中、俺は立ち上がり2人の後ろへと移動した。2人が気づかない内に転移結晶を出し、右手に掴んだ。そしてこの場の空気から急いで逃れるよ
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