62部分:ターラの花その七
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き右手で髪をかき上げながら店の方へ歩いていく。その後をアズベルがついていく。
店の入口の扉が思いきり叩き壊された。中から二人の男が取っ組み合いながら出てきた。
「どうやらうちじゃないみたいね」
ホッと安堵の表情を浮かべた。
「けれどお店の方は迷惑してますし見て見ぬふりは良くないですよ」
「解かってるわ。さて、と」
腰帯から剣を鞘ごと取り外した。できるだけ相手を傷付けないようにするつもりである。その時だった。
「止めるんだ、この様な公衆の場で」
壊れた入口から一人の男が出てきた。黒い長髪と細面の白面が店の入口から溢れ出る灯りで照らされる。瞳の色は黒の様だ。紫の丈の長い上着の下に水色の服とズボンを着、腰には大きな剣を下げている。
「どうしてもというのなら私が相手になるぞ。このイザークのシャナンがな」
「えっ!?」
ミーシャとアズベルは思わず顔を見合わせた。
「何だ、手前は」
「シャナム?知らねえな」
男の眉がピクリと動いたようだ。
「・・・・・・フ、死にたいらしいな」
「やかましい!」
「お前が死ね!」
「愚かな・・・・・・」
男はフッと口の端だけで笑うと腰から剣を抜いた。片刃の剣だ。
酔っ払い達が襲い掛かって来る。男が動いた。
男と二人の酔っ払い達が交差した。酔っ払い達は動かなかった。やがてゆっくりと崩れ落ちた。
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