第3章:再会、繋がる絆
第94話「目覚める“想い”」
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から、優輝は前世の事を話し始めた。
「―――それで、事件の途中で僕らは本当の意味で“再会”したって訳さ。」
一通り優輝は説明し、最後に互いが前世での知り合いだと気づき、再会したと締め括る。
「...なんというか、本当に突拍子もない事ね...。」
「“輪廻転生”とは、また違う転生...そんなのがあるんだ...。」
アリサとすずかは、前世の記憶があり、奏も司も優輝と知り合いだった事に驚く。
「あ、あれ?私が男だった事にはあまり驚いてない...?」
「え、だって...今はそんなの全然感じないし...。」
「完全に司さんは女の子になってるから...“そうだったんだ”程度にしか...。」
だが、それ以外についてはあまり驚く事はなく、司は少し拍子抜けする。
「...それで、なんで司さんはそんな緊張してるの?」
「一気に話を違う方向に持っていったな奏...。まぁ、確かに。なんでだ?」
「ふえっ!?え、えっと、それはぁ....。」
司は言えない。
緊張していた理由が、優輝と手を繋いだ事や傍にいる事だからなどと。
だが、その様子を見て優輝以外の三人は察してしまう。
「あー...。」
「司さんが...そっかぁ...。」
「..........。」
「あ、ぅ....ぅぅ...。」
アリサは苦笑いし、すずかは司にも好きな人ができたのだとしみじみ思い、奏はそんな司をあまり面白くない目で見つめる。
三者三様の視線に、司は顔を赤くして何も言えなくなる。
「え、もしかして三人は原因が分かったのか?」
「...むしろ優輝さんは知らないでいてください。」
「なんで!?」
顔を赤くしている司にジト目を向けながら、奏は優輝にそういう。
「(...今の司さんを見てると、なぜかイライラする...。なんで...?)」
悶々と、奏も自身に燻る気持ちに思い悩む。
「司、もしかしてアリシアに何か言われたか?」
「えっ!?どうしてそこでアリシアちゃんが...。」
「今朝廊下に走っていく時、呟いてたのが聞こえてな。」
奏達には教えてもらえそうにないと、優輝は司に直接尋ねてみる。
尤も、素直に教えるはずがないと、優輝もわかってはいた。
「そ、そうなんだ...。」
「で、何か言われたのか?少なくとも、何かきっかけがあったのだろうけど。」
「...うん。ちょっと、事情聴取の後に....ね。」
「やっぱりか...。アリシアの奴、多分面白半分で言ってただろ...。」
明るく元気のあるアリシアの事だからと、優輝はそう言って溜め息を吐く。
「で、でもでも、別にそんな特別な事は何
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