第3章:再会、繋がる絆
第94話「目覚める“想い”」
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」
「....えっと....?」
さすがに、後半部分がほとんと聞こえなかった。
多分、僕にも朝の挨拶を交わそうとしたんだろうけど...。
「あー、おはよう、司。」
「っ〜〜〜!おおお、おはよう優輝君!」
なぜ、ここまで司は緊張してるんだ...?
「どうかしたのか?」
「えっ!?い、いや!?何でもないよ!?」
「いやいやいや、どう見ても何かあっただろう...。」
事情聴取に行く前と比べて明らかに様子が違う。
熱でもあるんじゃないかっていうぐらいに顔が赤いし。
「...ぅぅ....。」
「...?」
「っ....!」
「あ、ちょっ、司!?」
居たたまれなくなったのか、司はもうすぐチャイムが鳴るのに廊下へと走り出す。
「ぅぅ...!アリシアちゃんのせいで....!」
「(....ん?)」
走っていく際に、微かにアリシアの名前が聞こえた。
....もしかして、アリシアの奴...何か余計な事吹き込んだな?
「優輝ぃ!!い、今のどういう事だ!?」
「ちょっ、いきなりなんだ!?」
司がどうしてああなったのか考えるのもお構いなしに、友人の一人が詰め寄ってくる。
...いや、彼だけじゃない。教室の男子ほぼ全員が詰め寄ってきている。
「せ、聖奈さんを名前で呼び捨てだと!?」
「ついさっきまでさん付けだっただろ!」
「名前で呼んでる時点でギルティ。」
「それになんだあの反応!?」
「どういう事か説明しろ!」
「というか羨ましいんじゃこの野郎!」
皆が皆、口々に僕に言う。...いや、あのさ、僕は聖徳太子じゃないんだから...。
マルチタスクを使わない限り一遍に喋られても聞き取れないっての。
「名前呼び捨てになったのはそれぐらい仲良くなっただけだ。さっきまでさん付けだったのは、どうせお前ら騒ぐだろ?だからできるだけ後回しにしたんだよ。」
「ぐぬぬ...!当たっているだけに腹立たしい...!」
「羨ましい。というかずるい。なんでお前だけ仲良くなれるんだ。」
ずるいとか言われてもな...。
いや、確かに前世からの付き合いがある分、ずるいのか...?
「ずるいも何も、お前らが遠慮しすぎなんだってば。なんで高嶺の花のように会話する事すらほとんどないんだよ。」
「ぐぅ...!」
「ちくしょう...言い返せねぇ...。」
僕の言葉に詰め寄っていた奴の半分以上が撃沈する。
いや、もうそれくらい言い返せるようになれよ。
...というか、お前らのその気迫に他の女子はドン引きしてるぞ?
「だが、それでも!聖奈さんがなぜお前に対してあんな反応を
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