第52話『2匹の鬼』
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けて、ない……」
「嘘……!?」
ユヅキは首をもたげ、何とか前方が見える状態にする。すると眼前には、傷だらけで 立っているのもやっとなぐらい疲弊しているであろう、ヒョウの姿があった。
「キミはもう、動けないだろう…? これで、ボクの勝ちだ…!」
その声は弱々しく、押せば倒れそうなぐらいに弱っているのが判る。だが、今はその動作さえユヅキにはできない。
マズい。恐らく、ヒョウにはまだ魔力が残っているはずだ。このままユヅキにトドメを刺すことも可能なのである。
「おやすみ、ユヅキ…!」
気温が下がる。ヒョウが魔力を収束してる証拠だ。
勝利まであと1歩、あと1歩だったのに・・・
「嫌だ、死にたくないよ…!」
ユヅキは、ヒョウに劣らない弱い叫びを上げた。
しかしその叫びも空しく、ヒョウの氷槍は彼女めがけて射出される。サイズは小さいが、命を刈り取るには充分な鋭さだ。
ユヅキは死を覚悟して、目を瞑る。
──その刹那、ユヅキの前に降り立った影がその氷槍を真っ二つに破壊した。
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