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第八十二話 要塞対要塞です。
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るようね。あの国防委員長も折を見て始末しなくてはならないわ。」
というわけで、とシャロンはアンジェに微笑を浮かべて、
「イーリス作戦を発動させるには今一つ強力な起爆剤が必要なのよ。発動はしないわ。ただ、いつでも着手できるように準備だけはさせておくように。」
そうまで言われては、アンジェとしても従うほかない。彼女は遠く帝都オーディンに向けてある指令を発動させたのである。
* * * * *
時間はやや前後するが、ティファニーがシャロンと通信を交わす前に、アーレ・ハイネセンでは、要塞主砲という手を封じられた要塞司令官以下が今後をどうするか、会議を行っていた。完全に攻撃のタイミングを外し「トチくるわせられた格好」になっている。
というのは、この攻撃開始直前に放たれた「可能であればイゼルローン要塞を制圧せよ。」という指令が国防委員長から直に飛んできたためである。出先司令部ではともかくもウィトゲンシュティン中将が宇宙艦隊司令長官と統合作戦本部長に確認を取ったが、二人ともそれについては知らないとそろって言い、そろってひどく不快そうな顔をした。だが、その数秒後、副官が持ってきた指令を読んだ二人は、ますます苦々しい顔をして、その指令書をディスプレイ越しにウィトゲンシュティン中将に見せたのだった。国防委員長からのもので、最高評議会の決定事項が記されている。「可能であればイゼルローン要塞を制圧せよ。」と。二人はそれを改めて指令したが、内心どう思っているかは顔を見れば一目瞭然だった。
これを受けて、ウィトゲンシュティン中将が再度国防委員長に尋ねたところ、同じような答えがディスプレイ向こうから帰ってきた。
『諸君は組織上は宇宙艦隊司令長官から指令を受ける立場にあるかもしれないが、その宇宙艦隊司令長官及び統合作戦本部長に方針指示を出すのは国防委員長であるこの私だ。そしてこの意思決定は最高評議会から出されたものである。諸君は司令長官及び本部長に従おうとするあまり、文民統制という大原則をひっくり返そうというのか?』
ひっくり返そうとしているのは、ほかならぬあなたではないか!?という思いを誰しもが抱いていた。
実は、国防委員長が直に前線部隊に指令を出せる根拠はあることはある。統合作戦本部長、宇宙艦隊司令長官が造反した場合に備えての事だ。これは緊急措置特別条項に明記されているところであるが、それには最高評議会の多数の賛成が必要だという条件がある。
だが、そんな命令はここ数十年発動されたことすらない。それがどうして今この時に、と誰しもが思っていた。
「わかりました。方針はそれに従いますが、委細は現場に任していただいてよろしいでしょうか?」
『言うまでもない。』
と、国防委員長は通信を切ったが、これによって方針を巡って紛糾することになったのは
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