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第八十二話 要塞対要塞です。
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おさまらぬ中フィオーナが指示を飛ばした。敵の要塞の砲撃にさらされ続けたイゼルローン要塞の誇るトールハンマーは、未だかつてない屈辱を晴らすのは今こそとばかりに充填を開始し、敵要塞に向けてその手から巨大な光の矢をなげうった。まっすぐに飛翔した光の奔流が敵要塞の流体金属層に吸い込まれていく。敵要塞の表面はびくともしていない様子だった。その証拠に新たな砲撃を知らせるリングが敵要塞の表面に浮かんでいる。
「第四波、来ます!!」
オペレーターの絶叫が司令室に響く。
「怯むな!!撃ち返せ!!」
激震に耐えながら、ケンプが部下たちを叱咤した3分後、再びトールハンマーが敵要塞を乱打した。二人の巨人がそれぞれの鉄槌を掲げ、互いを乱打し続ける凄まじい光景が続いた。未だかつてこれほどの光の奔流がイゼルローン回廊を駆け抜け続けたことはないだろう。だが、その光景も長くは続かなかった。
「敵要塞の、砲撃、停止!!」
敵要塞にどれほどの被害があったのかは知れなかったが、敵がそれ以上撃ってくることはなかった。近づく要塞同士の引力が存外早く作用して双方の主砲が使用不可になった模様である。
フィオーナは要塞全部署に対して戦闘態勢を指示した。これを見ていたロイエンタールが、
「よし。主砲の撃ちあいはひとまず片が付いたか。ならばもう一つ提案をしてもよいか?」
と、言ってきた。
「???」
何を言うのだろうと、いぶかしがっている女性司令官二人に、
「あの要塞に強行突入し、逆にあの要塞を制圧する。どうだ?」
と、さらりと提案してのけたのである。
「ええっ!?マジで!!??」
「本気と書いてマジと読む、そうお前には教わったな。」
ロイエンタールの口元は皮肉そうな笑みで歪んだ。
「敵はこちらの逆手を予想していないだろう。いや予想しているかもしれないが、それでもなお付け入る隙はあるはずだ。双方の混乱が完全におさまってからでは仕掛けることは難しい。戦機は今しかないと思うが?」
ロイエンタールの提案は大胆不敵なものだった。フィオーナは少し考えた。向こうにはヤン・ウェンリーがいる。ヤンの事だ。当然こちらの切り返しもすべて予測しているのではないか。だとすればその対策もしてのけているのではないか。そこまで考えてフィオーナは内心首を振った。それではだめだ。まるでヤン・ウェンリーが全知全能でこちらが彼の掌の中で踊っているだけになってしまう。
「ロイエンタールの言う通りだ。」
ミッターマイヤーがいち早く同意を示した。
「フロイレイン方の話では敵にはヤン・ウェンリーとかいう智将・名将がいるようだが、その者を恐れていては結局は何もできないではないか。人間諸事そうだが萎縮してしまっていては本来の力量を出すことは到底かなわぬものだ。確かに敵を軽視するのは忌むべきことだが、敵の幻想を作り出しそ
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