ガンダムW
1632話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
『うわぁっ!』
通信を通して、綾子の戸惑ったような声が聞こえてくる。
宇宙空間で初めてMSを動かした綾子だったが、トーラスという空を飛ぶMSであっても、宇宙ではやはり色々と勝手が違うらしい。
やっぱり重力とかがないのが大きいんだろうな。
「落ち着け、機体制御自体は地球にいる時とそう変わらない筈だ。宇宙用にセッティングが変更されてるんだから、まずはそれに慣れる事を考えろ」
『わ、分かってるけど……ちょっと地球と違い過ぎないか!? きゃっ!』
綾子らしからぬ、可愛らしい悲鳴……と言えば、恐らく怒られるだろうな。
ともあれ、3日後には出撃するという事が決まった以上、余分な時間を使っている暇はない。
セプテム達との話を終えた後、すぐに俺達は……正確には俺と綾子はトールギスとトーラスを使って宇宙に出た。
俺の方は今まで何度も宇宙で戦いを繰り広げてきたのもあって、特に問題はなかった。
トールギスという、宇宙では初めて使うMSだったが、それこそ数分と経たずにトールギスで宇宙を移動するのにも慣れた。
だが……綾子の方は、予想以上に戸惑っているようだった。
無重力での訓練といえば深海で行うのが多いのだが、アレックスと思われる水中用MS部隊との戦いでも、トーラスは上空からの援護やMS輸送機の護衛に徹していたしな。
それを考えれば無理もないのかもしれないが……一応シミュレータで宇宙空間でのMS戦闘も訓練をしていた筈なんだがな。
整備員や技術者に無理を言って、シミュレータにトーラスのデータを入れて貰って。
言うまでもなく、トーラスはOZの中でも最新鋭MSだ。
綾子が貰った機体以外にも何機かはあった筈だが、その機体のシミュレーションはまだ出来ていなかったらしい。
この辺り、連合軍の巨大さが仇となった形か。
まぁ、実際には技術者や整備員は色々と忙しく、殆ど機数のないトーラスのシミュレータを作っているような暇はなかったというのが正しいんだろうが。
「機体を強引に動かすんじゃなくて、機体と一体化するような意識を持て。武道とかでも人馬一体とか言うだろ?」
『言わないよ! 今時の武道で馬に乗って戦う事なんか滅多にないんだから!』
綾子の叫び声。
……言われてみればそうか。
門世界であれば、普通に騎兵とかも運用されていたが、それ以外の世界で騎兵が運用されているような世界というのは存在しない。
ただ、それでも武道でも流鏑馬だったか? そういうのはあるし、武芸百般に通じているという綾子なら、その感覚を分かっても無理はないかもしれないが。
『綾子、一応馬には乗った事があったでしょ? ほら、あのいけ好かない女に……』
『ああ、ルヴィアの』
『名前を出さないでちょうだい。出て来たらどうする
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ