58部分:ターラの花その三
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将校が一人入って来た。
「どうした?」
「あちらを・・・・・・」
将校が指差したのはトラキア軍の陣地だった。イリオスは再び望遠鏡を覗いた。そこにはレンスター、いや大陸の全ての者が忌み嫌う災厄の紋章があった。
「グングニルを中央にあしらったこげ茶の大旗・・・・・・。トラバント王か。連中何が何でもターラを手中に収めるつもるだな」
「将軍、これは容易ならざる事態になりましたな」
「ああ・・・・・・」
将校の言葉に頷きながら大旗を見ていた。
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