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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
砲火
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も、古参しか知らない技術。
感情
(
イメージ
)
制御系回路を使い、事象を《上書き》する。
だが、心意発動の際に確認されるべき、
過剰光
(
オーバーレイ
)
は見受けられない。意図的な発動ではなく、極めて高い感情の発露による、弱い心意の暴発といったところか。
―――こん程度なら、皆に言い訳するコトもないか。
心意は秘匿されるべきである、とかつて自分にその存在を教えた一人の少年は言った。
あの力は濫用するものじゃない。その先にあるのは、圏内とか安全圏とかを度外視した、ただの殺し合いだ、と。
彼がかつて虜囚となっていた《あのゲーム》からの生還者であることも知っていたヒスイとしては、それ以上深くは訊かなかった。いや、訊けなかったと言うほうが正しいかもしれない。
あの世界がどれほど血生臭かったかなど、その世界を生き抜いて帰ってきた当人に問うべき内容ではないのだから。
ざわつく陣営を落ち着かせるように、努めて声を大きくしながらヒスイはせせら笑った。
「……つまり、あんさんらがケットシーを標的にしたんは、つまらん嫉妬っちゅーワケか?ハッ、こりゃちっさいハナシやな」
「突撃する気もなくただバリケード作ってる指揮官には言われたくないな。埃を被ってそうなご大層な代物を出してきたが、手に余ったのか?」
もはや敵意を隠そうともせず、ギチリと顔の皮膚が裂けるのかと思えるほどに歪んだ表情を男は浮かべる。
その表情は雄弁に言っていた。
お前には分からないだろう。全てにおいて最初から勝ち組だったお前らのような人種には、と。
それに反論したい心をぐっと抑え込んで、ヒスイはあくまで冷静を徹した。
傍らの飛竜に、騎手であるドラグーン隊隊員とともに乗っていた執政部プレイヤーにアイコンタクトを送る。
彼女が頷き返したのをしっかり確認した後、ヒスイはゆっくりと言葉を紡ぎ出す。
準備は完了した。
時間稼ぎは終わりだ。
「――――まぁ、バリケードっちゅうんは、当たりやで。ドラグーンとフェンリルはこのまま、この位置から動きはせん。あんさんらが逃げようとせぇへん限りは、な」
「……?馬鹿か、なぜ逃げる必要がある?俺らスプリガン属領者は、このシナルの圏内にいる限りHPバーは変動しない。この中にいる間、俺達はシステム的に不死なんだよ。……それとも、俺らをここに閉じ込めるつもりか?いつでも即時ログアウトができるこの
世界
(
ゲーム
)
で?消耗するのはどう見てもそっちだぞ」
「ふむ。ま、それも大国らしいっちゃらしいけど、やるならもーちょいスマートな手法で行かせて貰うわ」
タイミングもどんぴしゃやったしな、と笑顔で言い切った狐耳の女性は自身のアイテムウインドウを開き、そこから煙管を取り出した。
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