暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
砲火
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にいるフニ。最も重要な目撃者であり、証言者でもある彼は、ヒスイの後方。正門後方支援組にいるはずだ。
『アイツか?』
この距離だと、ケットシーの視力補正でどうにか見えるが、森に囲まれ、視野が狭い後方からは見えない。だが、彼のことだから遠隔透視魔法の類で視ていることだろう。
例え自己評価が低く、内向的であっても、あの
領主
(
アリシャ
)
が認めた逸材なのだから。
するとその予想を証明するように、主語を抜いた端的なヒスイのメールに、すぐさま返信があった。
こちらも、こっちの意図を汲んでか、読みやすいシンプルな文面だ、
『ヤツです』
ウインドウを一瞥し、口許に底知れない笑みを浮かべた狐耳の女性は続けざまにこう吐き捨てる。
「ま、情報攻撃の真偽についてはこの際どーでもええわ。やってるやってないなんて、今時小学生でもやらんケンカやからな。だからあんさんらには、ウチの小隊がサラマンダー領近辺で受けた襲撃について
じ
(
・
)
っ
(
・
)
く
(
・
)
り
(
・
)
伺いましょか」
狐とは似つかない。それこそ、蛇のようなじっとりとした笑みの形に唇を歪め、女性は宣言するようにこう言った。
「よう、よう……ようやってくれたなァ、ゴキブリども。大人しゅう地ぃ這っとったら、見逃しとったのになぁ」
「……具体的にどうやってだ」
「ぁん?」
追い詰められた領主の男は震えていた。
確かに追い詰められていた。彼らが実行した計画が順調に行っていれば、本来こんな状況にはならなかった。
ケットシーの矛先は見当違いの別の種族――――それこそサラマンダー辺りに行き、軍事行動の代償として運営直々の下方修正が入るはずだった。スプリガンは本来、舞台にすら登場しない蚊帳の外。そのはずだった。
だが。
スプリガン領主、ファナハンと名乗った男は顔を上げる。
その顔は、知的で厳格そうなな顔立ちから考えられないような歪んだ笑みが貼りついていた。
「お前らの足りない頭でも、ここがスプリガン領ということは忘れたわけじゃないだろうな!?この中じゃスプリガンのHPバーは減らない!いくらお前らご自慢のフェンリルとドラグーンを出そうと、こここにいる誰も殺すことなどできないッ!!」
それに、とファナハンは続ける。
「仮に侵略行動など起こそうものなら、情報操作などする必要もない!――――過程は理想と少し違ったが、最終的に下方修正まで持っていければ問題はない、ケットシーは当初の目的通り引きずり落とせる!!」
領主の狂乱に、圏外ギリギリの位置をホバリングするヒスイは、とうとうその悠然とした笑みを引っ込めた。
代わりに彼女は、目を細めながら僅かにトーンを落とした声を空気に乗せる。
「……一つ、訊いてええか?何であてら
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