41話 ア・バオア・クーの戦い@ 3.13
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は甚大だった。
「ギリギリだった」
シロッコはすぐそばにいたメッサーラで来ていたサラに前線の指示を任せた。
「サラ、君ならできるはずだ。教えた通りに彼らを窮地へ落とすのだ」
「かしこまりました、パプテマス様」
シロッコは自分の旗艦へ帰投しようと後ろを振り向いた。そこには肉眼でとらえられ程大きなア・バオア・クーが居た。
「(さてと、宇宙移民たちもこの事態をどう捉えるか・・・)」
サラの部隊の後方に各サイドのマスメディアが来ていた。シロッコはジャミトフ亡き後の戦闘から報道各社への規制を解いた。それよりも率先して報道するように促していた。
地球の最期、人類の巣立ち、地球回帰からの決別などなど、人類にとっての現在最高のテーマを報道へ提供した。予想通り食いつきが半端なかった。
* カラバ 旗艦 ラー・ヤーク
ハヤトは帰投してくるアムロらの報告を聞き終わっていた。隣にカイ、ミハル、クワトロが居る。
他の面々はすでに出撃し、各部隊を指揮していた。
ハヤトは陣容を改めてモニターに見てはため息をついていた。
「勝てる戦・・・ではあるのだが、人道的ではない」
倍を有するシロッコ軍に対してそうハヤトが発言する理由をカイは知っていた。
「地球軌道艦隊が持っていた土産だろ?戦術核など戦で用いても良いことなど一つもない」
カイの意見にクワトロが頷く。
「同感ですな。ですが、それをア・バオア・クーに用いるのは悪くはないでしょう」
カイが首を振った。
「核の使用事態が最悪なんだ。ミハル」
「ハイ、こちらです」
ミハルより提示されたタブレット資料にハヤトとクワトロは見入った。
「報道規制が解かれている」
「ほう、そう来ましたか」
「ああ、共通な世論は核散防止だ。正しいと謳うならば核はもはや使えない」
カイが両掌を返して、ため息をつく。そして戦況図を眺めた。両軍とも鶴翼陣形を取りつつ戦闘していた。そのため中央部が空洞化し、総力戦という状況ではなかった。それもア・バオア・クーの前進と共に崩れていくことになる。
「両翼ともに技量で補っているため、押し込まれもせず押し込みもできてないな」
カイがそう言うとハヤトは頷く。
「ああ、現状は五分だが中央部の軍、いわゆるア・バオア・クーと共に動く敵本隊が厄介だ」
ハヤトがそう言い終えると、モニター通信でアムロが登場した。
「ハヤト、ひとつ提案がある」
「なんだ、アムロ?」
アムロが手元のタブレットを動かして、ブリッジにデータ通信した。
「メディアを利用して、核使用の正当化をこの時だけに限るんだ。現状地球無くして生計が立たない。シロッコはそれを考慮せず、犠牲を強いてで
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