41話 ア・バオア・クーの戦い@ 3.13
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ャアの様な立場を自称している。事は私一人でどうにかできる様な問題ではない」
シャアはそこで一つ呟く。
「性急でお粗末だ」
シロッコも同感だと思った。本意でないからだ。カミーユはシャアの助け舟を乗る。
「ああ、性急でお粗末だ。貴方の様な優秀な方がそんな事を計算できない訳が無い」
シロッコはそんなカミーユの質問にもサラッと回答した。
「そう冷静に考えることで世界が変われるのか?」
「落ち着いて考えないと良い答えも出せないでしょ」
「落ち着いて考えた結果がこの状況なんだよ!」
シロッコはいきなり吼えた。カミーユはビリッと威圧された。
「今まで消えていった政治家らや有力者らは皆冷静に物事を運んでは最悪な方向へと進んでいった。そして舵取りは消えて、漕ぎ手がいない舟を各々が話し合いながら、探り合いながら進んでいこうとする」
「そうだ。それでいいじゃないか。相談して解決する。やっと世界が皆同じテーブルにつけるんだ」
カミーユはシロッコが語る世界の現状を肯定する。それをシロッコは否定した。
「船頭多くして船山に上る。それではこの広大な宇宙で路頭に迷う。覚悟の上でも世界に一石を投じねばならない」
「石にしてはデカすぎるだろ!」
カミーユは陳腐な切り返しにシロッコは一笑し、再び厳しい表情になる。
「確かにな。だが冗談ではない。最早人類はチェックメイトなのだよ。地球で、暖かな土にぬくぬくとしている、その想い出から抜け出せない人類に誰かが荒療治をかって出ないことにはな。後戻りは退化だ」
「何を慌てているんですかシロッコ将軍!」
「・・・これが好機であって、私が為すべき事なのだ。これを回避してはもう私は何も力になれない」
カミーユはシロッコの焦りが見て取れた。ある程度まとまりつつある地球圏の勢力はとても危ない均衡の上で成り立っていることはカミーユは知っていた。それをシロッコは言いたいのだろうかと思った。
だが何かしっくりといかなかった。
シャア、アムロはシロッコの言から考えていた。この7年で争ってきた者達が手を取り合って仲良くしようなどという理想を語るには難しいことだと。大事な意思はシャアやアムロではなく、一下士官であって、それを支持する市民、政体にあるからだ。
ジオンのせいで、連邦のせいで不幸になった者達との関わりが戦後待っている。
この戦いは結束の面で必然的だと。純粋に地球を侵略してきた敵を人類が守る、のような構図をシロッコは提示していた。
アムロはシャアに話しかける。
「シャア、オレたちが正義の味方らしい。シロッコは侵略者だ」
シャアはアムロの言いたいことに頷く。
「そう言う構図を彼を提示している。彼を倒して終いだな」
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