52部分:雷帝その五
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、イシュトー様は何者かに御命を救われた様ですが現在のところ御行方が解かりませぬ」
「兵の被害は?」
「被害はそれ程多くはありませぬ。ですがもう一度打って出るというのは・・・・・・」
「そう・・・援軍が来るまで篭城するしかなさそうね」
リンダは隣のアマルダの方へ顔を向けた。
「アマルダ将軍」
「はい」
「指揮は私が執るわ。援軍が来るまで頼むわね」
「解かりました」
アマルダは思った。イシュトー王子の目は正しかった、と。目の前にいる小柄な少女は立派に将としての務めを果たせる、この少女について行きたい、と。
「リンダ様」
アマルダは思わず口にした。
「はい」
「このアマルダ命に替えてもリンダ様を御守り致します。どうか御一緒させて下さい」
「将軍・・・・・・」
二人は城門の上に立った。解放軍の大軍が姿を現わした。そこから一騎前に出て来た。
「何?」
その騎士は白旗を掲げていた。どうやら話し合いの使者らしい。
「入れてあげて」
リンダとアマルダは大広間において使者との会見の場を設けた。使者は入室すると片膝を折り敬礼をした。使者はブライトンと名乗った。話の内容は解放軍に是非リンダと話がしたいという者がいるというものだった。
「どうすべきかしら、将軍」
リンダはアマルダに意見を求めた。彼女は暫し思案したが口を開いた。
「御会いすべきかと存じます。シアルフィ軍のセリス公子、若いながら良く出来た人物と聞いております」
「解かったわ、ブライトン殿でしたわね」
首を縦に振るとブライトンの方へ向き直った。
「セリス公子にお伝え下さい。是非御会いしたいと」
「はっ」
二刻後リンダは後方に軍を置いたうえでアマルダと数人の護衛の騎士を伴い会見の場へ向かった。向こうには解放軍の陣がありシアルフィの旗が林立している。暫くすると数人解放軍の方から歩いて来た。先頭には青い軍服とマントの少年がいた。
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