第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#49
FAREWELL CAUSATION\〜Abstinence Paradox〜
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威圧感ならイルヤンカの奥義、
そして禍々しさならシュドナイの大業を上回る
余りにも想像を激した超弩級の顕現だった。
最早 “樹” 等と呼べる存在に非ず、
枝は拷問器具のように鳥も止まれぬほどに隈なく尖り、
葉は一枚の例外もなく眼と牙をビッシリ携えゲラゲラと狂った諧調を奏でる。
そしてその幹、呪われた淫肉の裂け目が如き黒瘤の中心は、
現世と暗黒の境界を想わせる虚無の空間が
神経を剥ずる感覚を発し蜷局を巻いている。
唯一例外的に延びた蔓に立つ少女の姿とは完全対極の惨絶。
「お兄サマ……何処……?」
無明よりも更に冥い、永劫虚無の双眸を成した少女の口唇から言葉が零れた。
その瞳には、もう何も映らない。
喜びも、悲しみも、何もかも。
もう何も、映さなくて、すむ。
←TO BE CONTINUED……
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