第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#49
FAREWELL CAUSATION\〜Abstinence Paradox〜
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するから。
“誰だって、愛されているのなら、生きていたいだろう”
――コレから記す事柄は、読み手であるアナタに判断して戴きたい。
一体誰の 『罪』 なのか?
形骸した使命との狭間で、止めを刺す事を躊躇ったシャナか?
スベテを犠牲にしてまでソラトを救おうとしたティリエルか?
彼女をソコまで追い込んでしまった空条 承太郎か?
或いは吉田 一美か?
結論から云おう “愛” は 『最悪』 の事態を引き起こした。
「――ッ!」
口中を軋らせたシャナにティリエルが坐したままで左腕を薙いだ。
炎弾は一発も飛んでこず代わりに 『正 義』 の霧が氷塵のように叩きつけられる、
しかし炎の甲冑には無意味、手甲の表面で弾き返される、
だがそのままティリエルは坐したまま跳躍、
波紋使い宛らの動きでソラトの背後まで飛び去った。
「し――ッ!」
装甲を纏っているが形骸と化している獅子の首に、
ティリエルは細く冷ややかな腕を絡める、
そして 『正 義』 解除、
再び発動するのはいつの日になるか、
もう永遠に目醒めるコトは無いかもしれない。
だがもう彼女にスタンドは必要ない、
これから起こる出来事に、事柄に、後悔はない。
「やめ――ッ!」
彼女に向けて手を伸ばしたのは果たして本当に戦略的な意味か?
甲殻越しに射出される紅蓮の炎弾、だが目標手前で山吹色の光に弾かれる、
狙ったのはティリエル、しかしソラトの躯が壁になって急所に当たらない、
斃すなら二人諸共に撃ち抜くべき、だが無駄、
“死に逝く者を殺すコト” に意味は無い。
クアァァァッッッッッッッ!!!!!!!
ティリエルの全身から迸った光、
ソレは破壊の恐怖ではなく生誕の畏怖を伴って発せられた。
一つの生命を優しく包み込む、慈愛に充ちた感覚、
選別された強者ではなく、何処にでも存在する、
しかし何よりも温かく強い光。
「さぁ、お兄様……お待たせ、致しました。
存分に、お受取りくださいませ」
そう、いつでも、覚悟していた事。
「ほんの……少しだけ……
予定通りでは、ありませんでしたけど……
これで、私たちの勝利……」
生まれた時から、存在した時から、
“最後の刻” はこうなると想っていた。
それが自分だから、その為に生まれてきたから。
だから、毎日は輝いていた、終焉を認識する事で、
無駄なものなど何一つないと実感出来たから。
少女の胸中を巡る幾つもの追想、
何故か最後に、アノ女のベッドに潜り込んで、
ソラトと共に眠っている自分が想い浮かんだ。
でも、辛いよ
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