50部分:雷帝その三
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みにのたうち回る。
解放軍の前面に魔道部隊が現われた。既に構えを取っている。
「撃て!」
レヴィンが手を下すと一斉に風の刃が襲い掛かる。フリージ側からも雷球が撃たれた。だが雷は風に相性が悪かった。雷は風に切り裂かれ、無数の剣がフリージ軍を撃った。
メルゲン峡谷は乾燥した荒野であった。その為火の回りが速く炎は瞬く間に燃え広がった。そこへ風が来た。炎は燎原の如く広まっていった。
「やったわね、アーサー」
フィーは炎の海と化した峡谷を見下ろしながら後ろに乗るアーサーに声を掛けた。
「ああ、まさか本当に上手くいくなんてな。やっぱりオイフェさんは凄いな」
アーサーは下を見下ろしながら満足気に応えた。下では炎と風に倒されたフリージ兵達が転がっている。ペガサスが再び上昇をはじめた。
「もう一回行くわよ」
フィーはにこりと笑いながら後ろのアーサーを見た。
「いいぜ」
アーサーもそれに応えた。
再び炎と風の斉射が行われた。炎は更に広がりフリージ軍の陣に隙が出来た。それを見逃すオイフェではなかった。
「今だ、全軍突撃せよ!」
凄まじいまでの衝撃がフリージ軍を襲った。一瞬両軍の動きが止まったかに見えた。二つの半月がぶつかり合った形のまま双方共止まった。しかしそれは一瞬だった。フリージ軍の半月は解放軍の半月に突き破られた。
「いかん!」
本陣で戦局を見ていたイシュトーはすぐさま馬に乗った。
「殿下、どちらへ?」
「前線へ行く、後の事は頼んだぞ!」
一人の将校の問いかけに素早く答えるとイシュトーはすぐさま坂を駆け降り前線へ向かった。
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