ガンダムW
1630話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「へぇー……これが無重力って奴なのね」
シャトルの中で浮きながら、凛が呟く。
窓からは地球が見えるというこの光景は、凛や綾子にとっても色々と興味深いものだろう。
特に凛の場合は、魔術師だけあって科学に対する拒否反応……とまではいかないが、それでも苦手な事に変わりはない。
そうなると、当然シャトルやら何やらで宇宙に来るなんて事は有り得ず……いやまぁ、魔術に宇宙関連の何かがあれば、もしかしたら凛が宇宙に魔術で来た可能性は否定出来ないが。
ともあれ、俺が聞いたところでは凛が宇宙に行った事はなかったらしく、今こうして初めての宇宙で無重力体験を楽しんでいる訳だ。
「それにしても、MSが全部で4機だったのは助かりましたね。このシャトルで搭載可能なのは5機まででしたから」
こちらは無重力状態が初体験という訳でもないのか、笑みを浮かべながらシルビアが告げる。
連合軍の中には10機近いMSを搭載可能な物もあったのだが、俺達が乗っているのはシルビアが言ってる通り、搭載可能MSが5機のタイプだ。
その代わり速度という面では、かなりの性能を持っている。
……まぁ、普通に考えれば分かるんだが、シャドウミラーを直接倒す事が難しいOZとバートン財団にとって、シャトルで移動しているシャドウミラーというのはこれ以上ない程の獲物な訳で……そう考えれば、速度を重視したシャトルを選ぶのは当然だった。
「そうね。このシャトルは小型の分、手続きの方も簡単だったし」
シルビアの言葉に、凛が笑みを浮かべて答える。
いつもの猫を被った笑みだが、凛とシルビアの相性は決して悪いものではない。
……というか、純真な性格のシルビアは普通に凛を尊敬の眼差しで見ている。
高校時代はミス・パーフェクトと言われていた凛にとって、この手の視線を向けられるのは初めてではない筈だが……それでも凛とシルビアのやり取りは、傍から見ているとどこかぎこちないものがあった。
それでも特に問題らしい問題は発生していないのだから、そんなに悪い訳ではないだろうが。
凛が本性を現した時、どうなるのか。それを見たいような、見たくないような……微妙な気持ちではある。
「連合宇宙軍から迎えの戦艦が来るんだったな?」
「はい。セプテム将軍からは、そのように聞いています」
「まさか、セプテム将軍もノベンタ元帥の孫娘が直接宇宙に来るとは思ってないでしょうね」
「あら、そうですか? 一応前もってその辺は伝えてありますよ?」
「……そうね。セプテム将軍の苦労が忍ばれるわ」
連合軍のトップの孫娘が宇宙に来るのだから、色々と大変なのは間違いないだろう。
シャトルで直接連合宇宙軍の本部……原作でセプテムの息子と父親がいたコロニー、D-120に向かえれば良かった
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ