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Exhaustive justice
−プロローグ−徹底的な正義
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めようとしない、抜けようともしない。金の欲しさにお前も行動を起こしたのだろう?」
『彼』は帽子を深く被る。
男は顔をあげることも出来ずにただ震え上がる。

「お、俺は…!ま…魔が差しただけなんだ!俺だってそ、そんなことしたくなかったさ!だけど…しょうがないだろ!それが人間の欲なんだ!!俺達は、も、…もう反省したさ!だから…!」

「…なぁ」
男が震えながら顔をあげると同時にその震えは止まる。


「貴様は豚や牛の命乞いに耳を貸したことがあるか?」
目が合った『彼』の目つきは、軽蔑の目線でなければ怒りの目線でもない。
何も感じていない。

澄んだ一声の後には、教室だけでなく校舎中に絶叫が響きわたった。



これが『彼』の正義。
見せかけの改心など必要ない、身体に覚えさせてやるのだ。
それこそが風紀委員会長の彼の思想。
『徹底的な正義』であった。



『彼』は真っ白なスマートフォンを耳に当てて窓の外を見ている。
「こちらは完全に完了した。救急車も呼んだ。死傷者もゼロ」

「…なに?女生徒が拉致られただと?」

「…了解した。今すぐにそこへ向かう、後処理を頼む」
スマートフォンの電源を落としてポケットに入れる。

凄惨な教室を尻目に、彼はそこを離れて行った。
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