第四十五話 成敗その十三
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「それで捕まったのかしら」
「他のことじゃないの?」
クラスメイトの一人は考える顔で言った。
「あいつ悪いことは何でもするから」
「ううん、何やったのかしら」
「変なジャーナリストも一緒らしいし」
「何やったのかしらね」
「あいつ何してもおかしくないからね」
「色々と汚い奴だから」
衝夫のことは学校でも有名だ、暴力にセクハラにとだ。噂の域だが金銭や地位にも汚いと言われている。
「確かに何やってもおかしくないわね」
「それこそね」
「だから現行犯で捕まっても」
「おかしくないわね」
「けれど警察沙汰だから」
だからだというのだった。
「もう終わりね、あいつも」
「懲戒免職間違いなしね」
「クビよ、クビ」
「あんな奴いなくなって清々するわ」
「もう暴力やセクハラに怯えなくて済むわね」
クラスメイト達は笑顔でだ、口々に言い出した。
「あいつ本当に酷かったから」
「というか先生の資格なかったわよね」
「教員免許云々じゃなくてね」
「もう人間として最低だったから」
「最低って言ってもまだ足りない位よ」
「人間以下だったわ」
その性根がというのだ。
「ヤクザ屋さんみたいに偉そうに歩いて」
「それで生徒完全に馬鹿にしててね」
「何が偉いってのよ」
「俺は先生様だって態度でね」
「生徒には何しても許される」
「そんな考えが見え見えだったわ」
実に忌々しげに話していく、そしてだった。
優花にはだ、こう言ったのだった。
「蓮見さんも目をつけられてたかも知れないけれどね」
「もう安心よ」
「あいつ絶対に学校には戻らないから」
「クビ間違いなしだからね」
「ええ、じゃあ安心してね」
真実を隠したままだ、優花はクラスメイト達に応えた。
「やっていくわね」
「そうしてね」
「もうあいつはいないから」
「学校の癌はなくなったし」
「私達も平和になったわ」
誰もが笑顔であった、衝夫がいなくなって。優花も危機が去ったことを喜んでいた。そのうえで高校生活を再開した。
第四十五話 完
2016・11・8
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