暁 〜小説投稿サイト〜
虚弱ゲーマーと似非弁護士の物語 −求めたのは力では無く−
第一章 ヒーローズ オブ ヴァーチャル アンド リアリティ
Act1 英雄は現代を生きる
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−Interlude−
「――――懐かしいよなぁ。お前と過ごした日々で、後にも先にもあの時が一番印象的だったぜ?」
此処は都内にある、とある居酒屋。
そこを一晩貸しきって、結婚式に呼んだ久しぶりに集まった級友たちとの二次会を楽しんでいる最中だ。
誰の結婚式かだと?勿論、アンドリュー・ギルバート・ミルズの結婚式に決まっている。
そして主役の1人であるギルは、カウンター席で一番の親友である衛宮士郎と飲み交わしていた。
「そんな印象的な事した覚えが無いんだが?」
「あのなぁ・・・。普通の奴はナイフを素手でたたっ斬ったり砕いたり出来ねぇんだよ。そもそも誰が同じ中学の先輩だよ!お前あの時小学6年だったろ?」
そう、実は士郎とギルの歳の差は二歳では無く三歳だったのだ。
「・・・・・・俺は一応、自分の老け顔には自覚があったからな。あの顔つきで小学生は通らないと思ったんだよ」
士郎は昔は童顔だった自分とこの世界での自分を比べて、何とも言えない気分のまま心の中で溜息をつく。
だがギルは相変わらず自己評価が低すぎる、3つ年下の親友の言葉に溜息をつく。
「まったくお前は・・・」
「ん?」
「いや、今まで何度も言ってきたんだ。今また同じこと繰り返しても意味なんてねぇだろ」
何なんだ?と何時もの様な言葉を黙殺したギルに丁度、酒に酔ってバカ騒ぎしている友人から誘いがあった。
「ま、たまにはいいか・・・。行ってくるがお前は如何だ?」
「いや、遠慮させてもらう」
「チッ」
舌打ちしながらギルは酔っ払いの友人達と合流する。
それを見送る士郎は誰にも聞かれない声で1人呟いた。
「この世界には微かにサーヴァントの存在を感じたのに、結局十数年何も起きなかったな」
と――――。
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