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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第74話 少しだけの過去
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ララぁぁぁー!」
食蜂は全力疾走の余韻が抜け切らずに闇の空間に消えていくララの最期に伸びた指先を辛うじて触れるだけで果てしない闇に彼は落ちていくのを見届けてしまう事しか出来ない。

後に残ったのは部屋に散らばる玩具と何度かトライしたゴミ箱、大量の血だけだった。
「.........ララ......うぐぅ、えっぐ......」

あんなに狭いと感じていた彼の世界は今日はとてつもなく広く感じた。

必ず護るからね......
必ず
どんな姿になっても......

食蜂はただこの世界の残酷さに怒りを覚えて爪を膝に食い込ませた。
唇を噛み締めて、悔しさと彼を喪った喪失感、哀しみに涙を止め処なく流し始める。

ララは大切な友人
私は私なりのやり方でこの研究に復讐してやるわよぉ

******

闇の中に落ち込んだララは最期の力を振り絞ってチャクラを練り上げた。
僕はもうダメだけど......僕が生まれて育った学園都市をもっと見てみたい

この身体と残り少ないリミットで出来る事は限られている。
ララは静かに印を結び始めた。

僕と共鳴する『痛み』を背負った人に
僕と共鳴する『哀しみ』を持った人に
使って欲しい

印を結び終えるとララの髪は真っ赤に染まり始めて、身体が徐々に変化していった。
彼の幽かな命は世界に対する無常観を嘆き、燃え盛る真っ赤な業火となって学園都市に再びを時空を捻じ曲げて始める。
座標も何もかもデタラメだ。

学園都市の路地裏に痩せ細った身体に真っ赤な髪を持った少年は傷だらけでその場に大量の血を出しながら出現して無造作に倒れ込んだ。

近くの銀行から爆発音が上がり、桁外れの大電撃が車を貫く。ガシャンと鈍い金属音が響く。

頭に花を咲かせた風紀委員(ジャッジメント)の女性が倒れている少年を見つけて駆け寄った。
「だ、大丈夫ですか?今救急車を!」

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