第74話 少しだけの過去
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るのを強いられた運命を背負っていた。
「けんきゅーじょの外ってどんな感じなのかな?一度で良いから海を見てみたいなぁ」
「残念だけどぉ、学園都市に海はないんだゾ。チェックが厳しくて簡単には街から出られないしぃ......まぁでもぉ、機会があったら行ってみても良いわよぉ」
その言葉にララは驚いて、万華鏡写輪眼をキラキラと輝かせた。
「あ、ありがとう!みさきさん」
「見ればみるほどぉ、不思議な眼をしているわねぇ」
「うん、けっけいげんかいだって教えられたんだ。前とは形が違うみたいだけどね」
自慢気にチャクラを少しだけ練ると燃えるような蒼い人型のエネルギー体に包まれるララ。
「!?」
「えへへ、僕の得意な能力なんだ。スサノオって云うんだよ」
霞のように掻き消えると少し誇らし気に頬を掻きながら水分を補給するためにスポーツドリンクの入ったペットボトルを飲み干した。
「ふぅ。よっと」
ララはフリースローのように空になったペットボトルを入り口近くにあるゴミ箱に投げ入れた。
見事に入り、硬い蓋と金属製の底がぶつかり合い乾いた音が響く。
「やった!」
「コラ!お行儀悪いゾ」
「目の良さなら自信あるんだ。本気を出すとスローモーションに見えるし」
「はいはい。良いかしらぁ?ゴミを投げ捨てるなんてマナー違反で下品極まりない行為なのよぉ?はしたないからやめなさい」
何度か練習でもしたかのようなセリフで武装した食蜂は立て板に水のように淀みなくペラペラと今のララの行動について一般論で反駁し始める。
「今はそれで良いかもしれないけどぉ、病気が治って研究所を出たらそんな行動は自分を貶す行為だしぃ、第一に女性にモテるなんてことは絶対ないから気を付けないとぉ......」
我ながら完璧な理論でララに一から説明し、ドヤ顔で身振り手振りを交えた熱弁を振るうが。
「ん?もしかして入らないとか?」
その一言で食蜂の何かが外れて、顔を真っ赤にしながらムキになってつま先立ちを背伸びする。
少しでも自分を誇示する為の虚しい行動だろうか?
「はァーッ?はァーーーーッ??誰が入れられないって!!?こんなもの楽勝だモン!!」
「ほんとーかな?」
「いいわよぉ、見てなさいッ」
と自分のペットボトルを手に持つと腰に手を当てて飲み干す戦闘態勢となり一気に飲み干す。
一滴でも残さないように逆さまにして水滴を胃に流し込んだ。
数滴でも残っていたら不確定要素が多くなり、予想外の挙動が大きくなる。
本当は洗って内側にこびり付いた糖類を落としたいがそんな事をしたら一発で無洗状態のペットボトルをナイスシュートしたララに敗北を意味する。
距離とゴミ箱の口径を頭に叩き込むと一瞬だけ息を止めて掴んだペットボトルをアンダースローで
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