不審な新参者
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やい。あんた…今が全力か?」
「なっ! そ、それは僕が、弱いとでもいうつもりか!?」
「…(釣れた…)」
簡単な挑発に面白いくらいに引っ掛かるアルベリヒ。
今までは余裕の表情だった顔も、屈辱に塗れた歪んだ表情へと一変しており、剣筋も元々鈍かったのが更に鈍さを増してしまう。
小学生かよ…。
「い、いいだろう……僕が本当の戦いというものを教えてやる!」
「わぷっ」
言うや否やアルベリヒがつま先を地面に深く抉りこませて思いっきり蹴り上げると砂埃のエフェクトが舞い、俺の顔面に砂塵がかかった。
「(砂かけとか…卑怯通り越して呆れるな)」
今更視界が奪われたことで動揺することもなく、アルベリヒがここぞとばかりに突き出した細剣を剣で反らした。
「くっ…運良く剣に当たったか」
「本当の戦いwww」
「〜〜〜っ!」
顔を赤くしたアルベリヒ。
腰を低め、正に今から突進しますよと宣言する姿勢を取った。
突進するとしたらリニアーだろうか?でも一撃な上に初期ソードスキルの技を使うのはどうなんだろう?
「これが僕の最高の攻撃だ!でやぁああ!」
「なんでやねん」
「ごはぁっ!?」
ソードスキルを警戒していた。
確かに突進だったが、ソードスキルではなくただの刺突。つい細剣を弾いてぶん殴ってしまった。
そして表示されるウィナー表示。
「ば、ばかな…僕が負けるなんてありえない! どこかおかしいんじゃないのか!? このクソゲー!」
アホ臭い。
まさか自分の未熟さと実力不足をゲームの所為にしやがるとは…本当にこの男は2年もアインクラッドで生きてきたプレイヤーなのだろうか。
「アルベリヒさん、申し訳ないんですが、攻略組への参加は、もう少し見送りということで」
アスナがそう持ちかけるのも無理は無い。アルベリヒの実力はレベルやステータスこそキリトやアスナを上回るほどなのだろうが、その中身……アルベリヒ本人の戦闘経験がまるで無いのだ。
ただ素人が高レベルアバターを動かしているかのような違和感、ソードスキルの存在を知らないのではないかと言いたくなる自称最高の攻撃、何もかもが攻略組に通用するものではない。
正にアバターに振り回されているような感覚だ。
「能力的に、問題は無いかと思うのですが……」
「いや、あんたはまだ攻略というものを実際には知らないだろうけど、最前線というのはレベルやステータスが高いから通用するというものではないんだ。
それに伴うプレイヤー本人の経験も必要になってくる」
引き下がろうとしないアルベリヒだったが、キリトの言葉に反論しようにも出来ず、ただただ屈辱だという表情を浮かべ、直ぐに爽やかな笑みを浮かべてアスナの方を向いた。
「わかりました、ですが…きっ
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