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白く咲けるは何の花ぞも
一.岡豊の姫若子
一章
二の2
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……んな訳ねえだろ。俺は生まれも育ちもこの土佐だ。ここから外に出たこともねえ」
「世間知らずのオボコなのだな。女なら殊勝な心掛けだが、その(なり)ではな」
「黙れ」

 再び、唇を重ね合わせながら、繋ぎ合わせた腰を揺する。
 元就の中は程よく元親を締め付け、適度に湿り、とても心地良かった。
 どちらともなく熱い呻きが洩れ、それが互いの情感を高めて行く。

「……ああ……、堪…らぬ……っ 」

 中で蠢く元親の男根が元就の好い部分を探り当てたのか、彼の上で身を震わせると、喘ぎを洩らして首を仰け反らせた。
 細い腰を掴み、同じ箇所を何度も抉るように突き上げてやる。
 白い尻の孔に出這入りする己の男根が何とも卑猥だった。

「さっきのお高く止まったあんたはどこに行ったんだ。大内とやらにしっかり調教されてるようだな」

 それも仕方がないだろう。
 武家の子供は時には主に見初められて、否が応でも閨の相手を務めねばならない。
 青年になってもこの美しさなら、幼少時はもっと美しかったに違いなく、元々が稚児好みの主なら、容易には手放さなかったであろう。

「黙れ……、貴様は腰を振って、我に奉仕しておれば良いのだ……、無駄口は叩くな……ああ、あ…っ、ああ…っ」

 この強気な性格と言い、高飛車な物言いも、そのくせ愛撫に弱い愛らしい一面も、完全に元親の好みである。
 彼が女なら元親だってこのまま正室に迎え入れたいぐらいだった。

「中に出すぞ、たっぷり出してやるから、元気な子を孕めよ」
「やめ…っ、……う…ああ…あああ……っ」
「うあ…っ、……で、出る……っ!」

 元親が往っただけで、元就はまだ往っていない。
 不満を解消する様に、互いが満足するまで幾度も抱き合った。
 なかなか往く気配のない元就に焦れて元親が彼の股間に吸い付き、硬くなった男根を吸いながら、臀を弄っていると、もうじきと言うところで大音響がし、邪魔が入る。

「兄貴! こんなところで一体何を油売ってんだ! 」

 呆気に取られ、身動きも出来ないでいる彼らには構わず、六尺を超える長身でがたいも良い男が小屋の内部に入って来ると、絡み合う恋人たちを引き剥がし、有無を言わさず元親の顔を殴りつけた。
 吹き飛ぶ元親を見、自分の無防備な姿に気付いた元就は、自分たちを見下ろすその大男の顔を見上げた。

「さっさと岡豊へ帰るんだ! 」

 背丈は元親より少し大きいだろうか。
 しかし、顔は厳つい鬼のような形相で、顎には豊かな黒髭を蓄えていた。
 長曾我部家の次男、元親の弟、親貞である。

「親貞ぁ……、お前、さすがに顎が外れたぞ。この…、馬鹿力め……っ! 」
「外れてたらそんな風に話せんだろうが! 全く、姿が見えないと思ったら、こん
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