第7章 聖戦
第163話 トリステインは今
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ルマニアの下に、……確かに実質は分からないが、名目上付く訳はないか。そう考える俺。
ただ、ゲルマニアがトリステインを呑み込む事は以前からの既定路線。俺の記憶が確かならば、ゲルマニアの皇太子ヴィルヘルムと、トリステインの女王アンリエッタとが結婚して、将来的には両国が統一される事となっていたような気がするのだが……。
そして、トリステインの南と言う事は、ガリアの影響が強く、更に新教の影響が強い地域だった……と思う。そもそも俺が居なかったのは、地球世界とハルケギニア世界との時間の流れが同じならば、二か月足らずの間。その程度の時間で、既定路線通りの北部の方は未だしも、南部のネーデルランドなどが簡単に出来上がる訳はない。ある程度の浸透は平時の内に行われていたと考える方が妥当でしょう。
つまりこれは、新教に属する連中が、旧教に支配される事を嫌い起こしたクーデターか。こりゃ、アルビオンで新教に対する迫害がかなりのレベルで行われた可能性も高いな。そう考える俺。確かに、地球世界のクロムウェルが行った旧教に対する弾圧は、言ってみれば形を変えた十字軍。自らと違う宗教の連中を、当時のヨーロッパ人がどう言う風に扱ったかを考えると……。
何故、それまで伴天連に対して友好的だった秀吉が、急に伴天連追放令を発したのか。その理由をある程度知って居れば、当時のヨーロッパ人の性根と言う物が見えて来ると思う。
それにどうも、今回のトリステイン分裂の裏側にはガリアが居るような気もするので、この事態を起こしたのはガリアとゲルマニア。更に、ゲルマニアの後ろ側にはロマリアも居る。そう言う訳でしょう。
大国や宗教の都合で分断された国家か。確かに地球世界のオランダとベルギーも似たような形で二つの国に別れたような記憶がある。それに、あの地球世界で見た夢。タバサが王太子の護衛騎士隊を率いて攻めて居た都市はトリステインのラ・ロシェール。あそこは確かトリステインでは南部に位置する都市だった……と思う。
あれが単なる夢などではなく、現実に行われた作戦だった場合、その意味は何となく分かるような気がするな。
「成るほど、それなら無期限に延期されていたトリステインのアンリエッタとゲルマニアのヴィルヘルムの婚姻が為されたと言う事か」
ゲルマニアとしては妙に急いだ感は拭えないけど、それはおそらくトリステイン南部の貴族たちにガリア王国と新教……いや、最早ガリア正教と言うべきソレの浸透を警戒して急いだと言う事なのでしょう。
そもそもトリステインの現王家はどちらかと言うと新教寄りの考え方をする王家。そして、ゲルマニアに皇太子ヴィルヘルムが居るように、ガリアには王太子ルイ……つまり俺が居る。
共に未婚。確かにガリアの王太子には婚約者のオルレアン大公の
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