第7章 聖戦
第163話 トリステインは今
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側を見てみると……。
表面上は分からない。しかし、多分、タバサは自らの両親の事を否定している。
確かに今の人生のタバサは可愛がられていた。その辺りは間違いない……と思う。
しかし、彼女には前世で、今、アルザス侯シャルルの元に居るシャルロット姫のように、双子が誕生した事が、自らが王位に就く事に対して邪魔に成る……可能性が高いとして処分された経験がある。
そして、その時に残された双子の片割れの方が……。魔法が使えない、更に王位に就く事の出来ない娘がどう言う扱いを受けたのか、……についても既に思い出していると思う。
女性が王位に就く事が出来ないサリカ法に支配されたガリア。普通に考えるのなら……地球世界の中世ヨーロッパに等しい社会通念を持つハルケギニアでは女性が家を継ぐのもかなり難しい以上、娘には政略結婚のコマぐらいの役割しか存在しない。
更に、魔法至上主義で、その他の能力はあまり重要視されないハルケギニア。
そして、ジョゼフと比べるとすべての面で劣っていたオルレアン大公シャルルが、自らがガリア王位に就ける最大の根拠としていたのは魔法の才能。その魔法を使用出来ない娘をどう扱ったかは想像に難くない。
魔法を使えないような無能を嫁として受け入れてくれる貴族に、王位に就いたオルレアン公が望むようなバックアップが出来るとも思えない。せいぜいが、オルレアン大公家に寄生するのが目的のダニかサナダムシ程度の家となるでしょう。
……つまり、今のタバサはこう考えている可能性が高い。
自分はただ、魔法を上手く使う事が出来たから両親に可愛がられていただけだ、と。
シャルロットと言う名前を否定し、自らの両親。子を捨てるような親は否定されて当然だとは思うが、両親を否定したタバサ。
これではどちらが本当のシャルロット姫かと問われると流石に……。
しかし――
ガリア領のアルザスを自領に加えたと言うのでなければ、ゲルマニアが新たに得た領土と言うのは一体……。
「既にトリステイン王国と言う国が滅んで、北は神聖ゲルマニア=トリステイン帝国の一部に。南は新たに起きた大小の貴族の同盟ネーデルランドと言うふたつの国に分裂しているのです」
心の中のみで発生した疑問に答えるように、ダンダリオンが言葉を続ける。
成るほど。つまり、今のガリアの周辺には真正の、簒奪者シャルルにより奪われた今のガリアではなく、それ以前の祖王からの血を引く真正ガリア王国=アルザス侯国と、かなり小さな単位だと思われるがネーデルランドと言う国が新たに興り、ゲルマニアがトリステインの北部を呑み込んだと言う事か。
まぁ流石に、虚無の担い手を嫁にしたハルケギニア的な英雄。それも始祖の血を引くと言われているガリア祖王の血を引く人間が、成り上がりのゲ
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