第7章 聖戦
第163話 トリステインは今
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精霊女王ティターニアが語った三人の僭王の内の一人はゲルマニアのアルブレヒトの事。
ティターニアの立場や、アルブレヒト政権のこれまでの成り立ちから言って、この辺りは間違いない。
但し、簡単に奪い返せそうだと言っても、近代兵器で武装している兵士が籠る城に対する攻城戦と考えると……流石に民の被害を最小限に抑える意味から、俺自身が出張って行かなければならないのは間違いないでしょうね。
アルビオンに乗り込み、ブリミル教の狂信者共からティファニアを助け出すのはその後の話か。それまで、聖地にロマリアが単独で兵を送り込む事がない事を祈るばかりだな。
……いや、それと並行してシャルロットも助け出す必要があるのだが。
実際、戻って来た途端にやらなければならない事は山積み。もっとも俺自身は、基本的に仕事が多いのは嫌いじゃない。気分的に言うのなら、オラ、わくわくして来たぞ的な状態なのだが――
ただ、何にしても――
何にしても、自らの足場を固めるのが先。取り敢えず、混乱した国内を収めるのが最初の仕事かな。そう考えを纏める俺。
しかし――
「アルザス地方はガリアからの独立を宣言しただけで、別にゲルマニアの領土となった訳ではないのです」
タバサの妹を本当のシャルロット姫だと偽り、その彼女を娶ったアルザス侯シャルルが、自らはガリアの正統なる王の血筋を継ぐ末裔だと名乗り、ガリアからの独立を宣言しただけ、なのです。
しかし、問い掛けたイザベラに代わり答えを返して来るダンダリオン。
そして、
「虚無の担い手のシャルロット姫と、簒奪者に因り絶やされたはずのガリアの正統な血筋を引くと自称する大帝シャルルが、背徳者からガリアの解放を謳って聖戦を開始したのです」
……と続けた。
アルザス地方の独立。……成るほど、そう言えばタバサがそんな事を言っていたか。自らの妹を本当のシャルロット姫だと偽って発表し、ガリアに今居るシャルロット姫……つまりタバサは偽のシャルロット姫だと発表した連中が居る、と言う事は。
確かにこんな与太話、一蹴して仕舞えば問題ないのだが、そうも言って居られない事情と言う物がコチラ側にあるのも事実。
そもそも、そのタバサの妹の本当の名前が今の俺たちには分からない。オルレアン大公シャルルが、自らの王位に就くのに双子の存在が邪魔だと言う理由で捨てた双子の片割れの方を預かった人物が、どう言う考えで赤ん坊を預かったかによっては、その少女は初めからシャルロットと呼ばれて居た可能性はある。
つまり、その少女は偽者などではなく、正真正銘のオルレアン大公シャルルの娘、シャルロット姫である可能性が大だと言う事。
そして逆にコチラ
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