第3章:再会、繋がる絆
第93話「事件解決」
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実際は、どんな魔法を使っても簡単には治らない程ひどいみたいだけど...。
「神力を無理矢理使ったのだから、仕方がない事よ。司の療養と一緒に、霊力を循環させて治していきなさい。」
「治せるってだけマシって事かな。」
「ええ。本来なら消し飛んでるわ。」
...あっさりと椿ちゃんは言ったけど、私は背筋がゾッとした。
代償とはいえ、もしかしたらあの時点で優輝君の腕は...。
「確率がゼロじゃなければ、その僅かな可能性を引き当てればいいだけだ。」
「え...?」
「...だろう?」
まるで私の考えを見透かしたように、優輝君はそう言った。
馬鹿みたいと、一蹴されそうな言葉なのに、何故か説得力を感じた。
「...まぁ、治せるからいいのだけど、できるだけそういう事態にならないようにしてよね。」
「“できるだけ”止まりな時点で、僕の事よくわかってるじゃん。」
「ゆ、優輝がいつもそうだからよ!分かる分からない以前よ!」
ポンポポン
ソッポを向く椿ちゃんだけど、少し花が咲く。
“わかってる”って部分が嬉しかったんだろうなぁ...。
でも、心配しているのは本当だから、自重しようね優輝君?
「....わかってるよ。」
私の思いが通じたのか、優輝君は申し訳なさそうに私にそう言った。
「...今、目で通じ合ったよ。」
「通じ合いましたね。」
「そこ、何ひそひそやってるの。」
葵ちゃんとリニスが何かひそひそ話し合っている。
僅かに聞こえた内容から、私たちを茶化しそうなので、釘を刺す。
「...まぁ、とりあえずしばらくはここで療養だ。僕から那美さん経由で話を通しておくし、士郎さん達や司の両親にも伝えておくよ。」
「うん。...優輝君はいいの?」
しばらく雑談した後、優輝君が今後の事を切り出す。
「何が?」
「いや、私に付き合ってたら家にあまりいられないから...。」
「別に。思い入れがないとかそういう訳じゃないけど、親友といる時間も大事だ。それに、また勝手に死にそうになられちゃ、こっちが困る。」
「うっ....。」
そう言われると弱い...。
「体調自体はほんの数日で元に戻せるだろうけど、問題は身体能力だな...。僕の腕を治していくついでに、色々サポートするから、一緒に頑張るか。」
「うん。」
霊脈の力のおかげで、私は衰弱する事はない。
だけど、普通に走ったりする事すら、今は不可能だ。
食事をしている今でさえ、体をあまり動かせないくらいだし。
「まぁ、僕以外にも椿や葵、リニスさんもいる。...色々頼ってくれ。」
「うん。...改めて、よ
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