第3章:再会、繋がる絆
第93話「事件解決」
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(でも....。)」
だけど、少し引っかかった事がある。
...二人の表情が、どこか後悔していたような...。
「(そういえば、二人の過去って誰も知らないよね?一体、何が...。)」
きっと、何かがあった。...そんな予感がした。
「ん....?」
「あれ?魔法陣?」
そこで、すぐ近くで魔法陣が発生する。転移魔法だ。
...と、いう事は、転移してくるのは...。
「司!」
「わぷ...リニス...。」
「良かったです。こうして帰ってきてくれて...!」
さっきクロノ君が帰り際言っていた通り、リニスが来た。
そして、転移してくるなり抱き着いてきた。
「...?彼はいないのですか?」
「あ、優輝君はちょっと夕食を作りに...。」
優輝君の事を聞いてきたので、今はいないと伝える。
ちなみに、私は先程栄養補給のための食事をしたが、お腹はまだ空いている。
「...あの、いつまでこうしてるの...?」
「...もうしばらく、このままでお願いします。司がこうして帰ってきてくれたのが、今は何よりも嬉しいのですから...。」
優しく抱擁したまま、しばらく時間が流れる。
椿ちゃんと葵ちゃんも空気を読んでか邪魔はしてこないし、必然的に無言で私は居たたまれない状態が続いた。
「作ってきたぞー。...って、やっぱりリニスさんも来てたか。」
しばらくして、優輝君が戻ってくる。
さすがにその時にはリニスも落ち着いて、適当に雑談していた。
「...?手ぶらにしか見えないけど...。」
「ああ、それなら....っと!」
優輝君が御札を数枚取り出し、それを縁側に置くと、全てが夕食や食器に変わった。
「食べ物だから一回限りだけど、僕の創造魔法と霊術を合わせればこの通りってな。」
「便利だねー。」
「武器や霊力を仕舞う術式を応用したのね。」
湯気が立ったりしてる事から、おそらく状態を固定していたんだと思う。
...やっぱり優輝君は凄いな。
「それじゃあ、司が帰ってきた事を祝って、ささやかながらも...乾杯。」
「カンパーイ!」
「乾杯。」
飲み物を注ぎ、優輝君がそういって皆で料理を食べる。
...って、何気にリニスの分も用意してたんだ。さすが優輝君。
「....それにしても、本当に無茶をしましたね。」
「ん?...ああ、腕の事...。まぁ、こうまでしないとアンラ・マンユは倒せなかったので。」
リニスが優輝君の腕を見てそういう。
優輝君の腕は、矢を放った際の代償でボロボロになっており、今は痛覚をある程度遮断する事で使えるようにしているだけらしい。
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