暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第3章:再会、繋がる絆
第93話「事件解決」
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も知っているのだけど。」

 優輝君の言葉に、椿ちゃんが突っ込む。
 確かに、士郎さんを巻き込むのはちょっと...。

「...長くなったな。じゃあ、司の事は任せたぞ。優輝。」

「ああ。そっちも任せる。」

 そういって、クロノ君たちはアースラへと戻っていった。
 残ったのは、私と優輝君と椿ちゃん、葵ちゃんだ。

「....あ、そうだ優輝君。」

「ん?どうした?」

 目が覚めてからずっと気にしてた事で、優輝君に声を掛ける。

「私の事は、“司”って呼んで。前世の“聖司”じゃなく、今までのさん付けでもなく。...もう、私は“聖奈司”だから。一人称も“私”だしね?」

 助けられた時は気にしてなかったけど、やっぱり事件が終わってからだと気になるしね。

「あー、そういえばずっとそっちで呼んでたか...。重ねて見てたからなぁ...。...ま、()がそういうのなら、そうするよ。」

「うん。」

 別に、“祈巫聖司”を忘れる訳ではない。これはただのケジメだ。
 過去の事を、もう必要以上に引きずらないための、ケジメ。

「んー、なんだかあたしたちじゃ入り込めない感じ...。」

「前世からの親友なんだから、仕方ないわよ。」

 葵ちゃんと椿ちゃんが蚊帳の外になってる...。
 二人が言ってた事が私にも聞こえたので、少し気恥ずかしくなって顔を伏せる。

「...あー、じゃあ、僕は家に戻って適当に何か作ってくるよ。夕食も近いし。」

 “食材残ってたかな?”とか言いつつ、優輝君は一度家に向かっていった。
 必然的に、椿ちゃんと葵ちゃんは残される。...気を遣われたのかもしれない。

「あちゃ、気を遣われたね。これは。」

「う...わ、悪かったわよ...。」

 二人もそれに気づいたのか、なぜか私に謝ってくる。

「べ、別にいいよ...。私も蚊帳の外にしちゃってたし...。」

 優輝君が“優輝君”だと分かって、やっぱり再会の嬉しさがあったんだと思う。
 だから、むしろ蚊帳の外にした私と優輝君の方が悪いんじゃないかな?

「...優ちゃんが必死になって助けようとするのもわかるかな。」

「え....?」

 唐突に葵ちゃんがそういう。

「優ちゃんから司ちゃんの前世の事は大体聞いたんだ。」

「...助けられなかった親友と、優輝は悔やんでいたわ。」

「そっか...。」

 だから“今度こそ”と思って、あそこまで必死に...。

「羨ましいわね。そこまで想ってもらえて。」

「あ、かやちゃんヤキモチ〜?」

「ばっ、ち、違うわよ!?」

 すぐに葵ちゃんがからかい出す。...この二人は相変わらずだなぁ...。


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