レベル8前編 呪霊者・者者霊呪
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「ただ地に伏すばっかだぜ。覚悟してな!」
「いいですね。偉いです」
最後にピーツーが拳を突き出すと、夢値は担任の教師のようにニッコリと笑った。
「だ、だけどよ……」
ピーツーは樢とルベーサが決闘しているところをチラリと見た。
「ヤバいぞあれ、先攻1ターン目なのにブンブン回してるぞあれ」
「じゃあそれより早く勝てばいいんじゃないか?」
「となると、0ターン目か」
「なんだそれ、そんなことが可能なのか?」
「でも恐らくそれが出来なければ勝てないでしょうね」
夢値が突然割り込んだ。
「マジか!?」
「今の樢さんは人智を超えています。100回決闘して、100回先攻1ターン目で勝利しても、不思議ではないくらいです」
夢値は、樢と毛糸の決闘のことを話した。
「ェアファア!?」
ピーツーは素っ頓狂な声を上げた。
「どうすんだよ。それじゃあ本当に0ターンキルするしか無いってのか!?」
「そんなの」
「無理だろ」
「勝てねぇ」
「いや、落ち着こう」
絶望への流れを断ったのは研だった。
「無闇矢鱈と勝てないと言ってはメンタルに関わる」
研とピーツー達が話し込んでいるので、夢値はダードを手招きした。
「なんだ?」
ダードは素直に近寄ってくる。
「ダードさんは何か勝つ案ありますか?」
「無いな」
ダードは即答した。
「あんな滅茶苦茶なやつを前に、しっかりとした勝算を立てるなんて無理だろ」
「うーん、そうですか、じゃあ、お守りは?」
「お守りぃ?」
怪訝な顔のダードに、夢値は「はい」と頷いた。
「運が良くなる感じの。この際、交通安全とかでもいいです」
「なんでお守りなんだよ?」
「いやですね、勝つ方法はあるんですけど、」
「あるのか!?」
ダードは思わず叫んだ。
「まぁまぁまぁまぁ。テキストは最後まで読みましょう」
夢値は宥めるように手を構えた。
「あ、あぁ」
「勝つ方法はあるんですけど、勝率が極端に低いんですよね。だから強運を自負するぼくでもあまり分の良い賭けにはならないと思います」
「そんなのがあるのか」
「というわけで、お守りで運気を上昇させて挑もうと思ったんですが……」
「《灰流うらら》ならあるぞ!」
その話に飛び込んできたのはピーツーだ。
「お守り代わりのカードですか?」
「あぁ、パック剥いたら出たんで、財布に入れてんだよ」
「貸してくれるんですか?」
「あぁ……って!」
ピーツーは頷くとハッとしたような顔をした。
「そうだ!最初の手札に《灰流うらら》あれば負けないじゃねぇか!」
「それは厳しいですね」
夢値は冷静に返した。
「今の樢さんはとんでもないので、多分100回やっても手札に来ないでしょうね、《灰流うらら》……」
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