レベル8前編 呪霊者・者者霊呪
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「さぁて、じゃあ次はお前らだな」
サンサーヴに完全に憑かれた哀手 樢が次の獲物を見る目は、意外にも穏やかだった。
「な、何か無いのか、夢値?」
ダードは、今までサンサーヴを守ってきた老伍路 夢値を不安そうに見上げた。
「弱ったサンサーヴを無力化する装置は見つけました。ですが、勝つ方法がまだ思いつきません」
夢値は、今は敗れ倒れている九衆宝 毛糸が作り上げた装置をポケットにしまった。
「くそ、しょうがねぇ。いちかばちか……」
「いえ、これではまともな決闘になりません。決闘にならない決闘なんて、しても無駄なだけです」
覚悟を決め、臨戦の構えを取ったダードに夢値は冷静に言い放った。
「はぁん、分かってるじゃないか。んで、お前は何かしてくれるのか?」
樢は、戦闘準備としてかデッキを胸の高さに掲げた。
「ぼくとしては対策を考えることのみに集中したいので、ぼくがすることはそう多くありません」
夢値は、別空間からスマートフォンの様な物を取り出した。
「これだけです!スイッチオン!」
夢値がそれの中央をタッチすると、
……
辺りは静寂に包まれた。
何も、起こらない。
「こけおどしか?」
樢は夢値を鼻で笑った。
「もう時間稼ぎはいいか?じゃあ、俺の兵士になってもらおうかぁ?」
樢が夢値に迫ったその時、
「うぉるるりゃぁぁ!」
突如窓ガラスが割れ、何かが蹴り込んできた。
「な、なんだ」
樢がうろたえていると、次は床が隆起する。
「只今参上!」
床から人が、
「おじゃまするよ」
その次にドアから人が、
「俺達」
「も」
「忘れちゃ」
「いけねぇぜサンサーヴは俺らのもんだぁ!」
また次に天井から人が降ってきた。
「な、なんだこいつら」
あっという間に、樢を7人の人間が囲むことになった。
「あの4人で来たやつ、あいつらって……」
「彼らだけではありません」
目を丸くするダードに、夢値は大きく頷いた。
「サンサーヴを狙ってぼくと決闘した人達です」
ルベーサ・アガイタ、灯木 稲紅、沓査 研、エル、ザウ、シグ、ピーツー。
いずれも、夢値と決闘い、敗れていった人達だ。
「お前の差し金か?」
樢の目は人混みをくぐって夢値に通った。
「ええ。いざという時の為に、簡単な操作でハンター達にそれっぽい文章を伝達出来るようにしていたのですよ」
「ふん、群れるか。無力な」
樢は呆れているようだ。
「おい老伍路なんちゃらあ!」
ルベーサが夢値の方を振り向く。
「はいなんですか?」
「こいつぶっ倒したらサンサーヴ手に入んだよなぁ」
ルベ
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