第10話
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いや、まだだっ!」
「向こうはまだ探していないぞ!」
するとその時扉の外からメンフィル兵達の声が聞こえてきた。
「しまった……!」
「え、援軍のメンフィル兵……!」
「万事休す……だね……」
「クッ……!」
外から聞こえてきたメンフィル兵達の声を聞いたクレア大尉は血相を変え、マキアスは表情を青褪めさせ、フィーとサラは厳しい表情をした。
「制圧完了、ですね。」
「お兄様、彼らをどうしますか?」
一方戦闘不能になったサラ達を確認したステラは武器を収め、セレーネはリィンにサラ達の処遇を訊ねた。
「…………トヴァルさん。貴方にはユミルが襲撃された時猟兵達に撃たれて重傷を負った父さんの応急手当をしてもらった恩があります。その恩もありますから、条件付きで貴方達をこの場から逃がしてあげても構いません。」
「リィン……」
「……その条件とはどういうものでしょうか?」
解放していた”力”を抑えて元の姿に戻り、太刀を鞘に収めたリィンの話を聞いたトヴァルは驚き、クレア大尉は真剣な表情で問いかけた。
「条件は二つです。一つはユーシス・アルバレアの救出を諦める事。その代わり彼の身の安全の保証は約束します。」
「そ、そんな……」
「……下っ端の兵士が国の判断に口出しできると思っているのかしら?」
リィンが口にした条件を聞いたエリオットは辛そうな表情をし、サラは厳しい表情でリィンに問いかけた。
「勿論俺達の”上司”に当たる副長達――――リフィア皇女殿下の親衛隊を率いるゼルギウス将軍閣下やシグルーン副将軍閣下を通しての嘆願になりますが、リフィア皇女殿下御付きの専属侍女長であるエリゼを通してリフィア殿下にも彼の身の安全の保証を約束してくれるように嘆願してもらいますので心配は無用です。エリゼ、頼めるか?」
「はい、お任せ下さい。」
リィンに視線を向けられたエリゼは静かな表情で頷き
「リフィア皇女殿下……メンフィル帝国の次期皇帝であられる御方か。確かにメンフィルの帝位継承者であられるリフィア殿下ならば、メンフィル帝国が捕虜にしたユーシスの処遇についても口出しできるだろうが……」
「……それ以前にわたし達と大して変わらない年齢のメイドが”聖魔皇女”付きのメイド長とか、普通に考えて信じられないんだけど。」
リィンの話を聞いたラウラとフィーはそれぞれ真剣な表情でエリゼを見つめて呟いた。
「いえ、彼女―――エリゼさんがリフィア殿下の専属侍女長である事は事実です。”西ゼムリア通商会議”でも彼女はリフィア殿下御付きの専属侍女長としてクロスベルを訪れていた事が確認されていますし、会議に参加していたオリヴァルト殿下もエリゼさんがリフィ
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