第四十五話 成敗その四
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「協力させて頂きます」
「是非お願いします」
「この連中は過激派ともつながりがあるみたいですし」
「ここから過激派も捕まえていきます」
「あの連中も」
「お願いします、テロリストですから」
過激派の実態はそうであることは学生時代からのことだ、浅間山荘事件なぞはその証左と言えるであろう。
「容赦なくです」
「捕まえていきます」
「そうしていきますので」
警官達は言ってだ、そのうえで。
衝夫達を連行していく、だが彼等はここで醜態を見せた。
「おい、これで終わりと思うなよ」
「覚えていろよ」
「絶対やり返してやるからな」
「何十年経ってもな」
「だから忘れるな」
「いいな」
「そうね、その言葉は」
副所長は二人の言葉を聞いたうえで冷静に返した。
「今この瞬間で忘れるわ」
「何っ!?」
「因果応報よ」
副所長は二人にこうも告げた。
「悪事が大きければ大きい程報いも大きいのよ」
「どういうことだ」
「言ったまでよ」
衝夫の問いに即座に返した。
「貴方達はこれまで人間とは思えないまでに悪いことを重ねてきたわね」
「それでっていうのか」
「その報いはとんでもなく大きい筈よ」
「刑務所は十年程で出られるぞ」
幾ら長い刑期でもというのだ、尚狭山事件の様にあまりにも不可思議な、被告人自身が冤罪の可能性が極めて高くとも裏に何かがある可能性が極めて高い事件はその刑期が実質十年程の無期懲役でも何十年になったりもする。
「忘れるなよ、十年後を」
「その十年の後でどうなるかね」
「だから何が言いたいんだ」
「言ったまでよ、十年の間に」
まさにというのだ。
「何が起こるかよ」
「それでか」
「蓮見さんが貴方達に会うのはこれが最後よ」
副所長は再び冷たい言葉を告げた。
「そして貴方達は完全に破滅するわ」
「くっ、誰がそうなるか」
「俺達は絶対に出てやるからな」
「おい、来い」
まだ言い続ける二人をだ、警官の一人が急かした。
「これから取り調べだ」
「警察と新聞社にも通報しておくからな」
「覚悟しろよ」
「これまでの悪事絶対に暴いてやるからな」
他の警官達も言ってだ、二人を連行していった。二人はまだ喚いていたが最早どうにかなるものではなかった。
路地裏においてその姿は次第に小さくなり。やがては。
完全に消えた、副所長は彼等の姿が消えてからあらためて言った。
「まずはこれでね」
「終わりですね」
「ええ、このお話はね」
岡島の問いにも答えた。
「終わったわ」
「何か限定的ですね」
「実際にそうよ」
「まだ完全に終わってはいないんですか」
「あくまで終わったのは今回だけのことよ」
それに過ぎないというのだ。
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