第四十五話 成敗その三
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「今までね」
「天敵?俺達に天敵なんてな」
「犯罪を取り締まる人達よ」
「まさか」
「そう、後ろを見ればわかるわ」
副所長は見えていた、しかし衝夫と鍛冶元には見えていなかった。だが彼等は二人のすぐ傍まで来ていた。
そのうえでだ、二人に対して告げた。
「お話は聞かせてもらっていたよ」
「全部ね」
「恐喝の現行犯で逮捕する」
見れば制服の警官達だった、数人いてだった。
衝夫達の両手を掴んで後ろ手にしてだ、拘束して言った。
「見ればいつも基地の前で騒いでいる連中の中心か」
「そこにいる連中じゃないか」
「何処のどいつかと思っていれば」
「いつも暴れている連中じゃないか」
「おい、お巡り達が俺達を捕まえられると思っているのか」
鍛冶元は警官達にも恫喝を仕掛けた、目は獣それもかなり程度の低いもののそれになっている。顔も同じだ。
「権力の犬が」
「そうだ、お巡りなんてな」
衝夫も言う。
「俺達の相手だと思っているのか」
「そうだ、出来ると思っているのか」
「証拠もないのにな」
「だから証拠はあるのよ」
副所長は凄く二人に冷淡に告げた。
「もうね」
「何っ!?」
「そんなの何処にあるんだ」
「貴方達のメール、そしてここで言ったこと全部がよ」
その何もかもがというのだ。
「証拠になるのよ」
「だからか」
「俺達が警察の厄介になるっていうのか」
「そうよ、もっとも」
副所長は鍛冶元のならず者そのものの顔を見てこうも言った。
「貴方は警察の弱みも握っていそうね」
「だったらどうなんだ」
「そちらの手も打つ必要があるわね」
「どういうことだ」
「貴方みたいな人間は長崎だけで何かしていないわね」
鍛冶元の様な運動家はというのだ。
「長崎県以外でも何かしているわね」
「はい、実はです」
「この二人は公安からマークされていまして」
警官達が副所長に話した。
「警視庁の方からもです」
「警戒していまして」
「何かあればとです」
「言われています」
「そうですか、自業自得ですね」
警官達の話を聞いてだ、副所長も納得した顔で頷いた。
「悪事は必ず報いを受ける」
「はい、何時かはと思っていました」
「上層部のことは知らないですが」
「警視庁からです」
「公安からも言われていまして」
鍛冶元が弱みを握っている相手とは別系統の組織からもマークされていたというのだ、彼だけでなく衝夫もまた。
「ですから」
「今ここで、です」
「この二人を捕まえられました」
「よかったです」
「この二人は色々問題もありますし」
「前科も多いでしょう」
「はい、後は我々もです」
副所長は八条グループのことも言葉の中に含めて話した。
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