第五幕その九
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「これから」
「そうするわね」
「是非ね、じゃあ僕達はね」
「ここでなのね」
「くつろいでいるよ」
そうするというのです。
「このままね」
「そうなのね」
「うん、のどかに食べて休んで」
「そうしてよね」
「暮らしていくよ」
こう言うのでした。
「のどかな中にいると」
「のどかになるわね」
「そうなっていくね」
自然にというのです。
「僕達も」
「ええ、それはあるわね」
「アン王女もだよね」
「私もね。ウーガブーの国にいたから」
のどかで平和なこの国にです。
「ずっとね」
「穏やかになったんだね」
「そうなったわ」
「最初からかな」
「今思うと」
かつてオズの国を征服しようとしたその時もです、この思いつきが結果としてアンをオズの国全体のデビューさせています。
「そうね」
「ええ、アン王女はね」
ドロシーもそのアンに言います。
「やっぱりね」
「穏やか?」
「基本ね」
「そうなのね」
「活発だけれど」
それでもというのです。
「怒ったりしないから」
「怒ることはね」
アンにしてもです。
「私も好きじゃないわ」
「そうよね」
「怒っても仕方ないし」
だからだというのです。
「私もね」
「怒らないのね」
「そうなの、ウーガブーは穏やかだし」
それで何か起こってもというのです。
「怒ることもないから」
「そうよね」
「それで私もなのね」
「穏やかだと思うわ」
活発かつ穏やか、それがアンなのです。それに加えて好奇心旺盛なものもあります。
「私はね」
「成程ね」
「やっぱりやたら怒ったりするよりもね」
カバキリンがまた言います。
「穏やかな方がいいよね」
「そうよね」
「うん、僕もそう思うよ」
カバキリンはドロシーにも言いました。
「ずっと穏やかに暮らしたいね」
「そうよね」
「じゃあ君達はこれからだね」
「ウーガブーの国に向かうわ」
「それじゃあまた会おうね」
別れの挨拶は彼からでした。
「ここに来た時はまた宜しくね」
「それじゃあね」
アンが笑顔でカバキリンに挨拶をしました、そしてです。
皆はカバキリン達と笑顔で別れて煉瓦の道を進んでいきます。平原から森の中に進んでいくとです。一行にです。
木の上から語りかける声がありました、その声の主は梟でした。
梟はアン達を見てです、こう言ってきたのです。
「ウーガブーのアン王女かな」
「ええ、何かしら」
アンはその梟に顔を向けて尋ね返しました。
「私に何か用?」
「要はないよ」
それはないと言う梟でした。
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