34部分:神剣その四
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人に言った。二人は顔を見合わせた後青年をまじまじと見た。そして。
「御免なさーーーい」
「間違えちゃったあ」
とあまり誠意の感じられない謝罪をした。
「・・・まあ良い。ところで」
誠意の無い謝罪を受け流し青年は言葉を続けた。
「君が手に持っている剣だが」
パティが手に持っている剣を指差した。すると二人は再び叫んだ。
「何、じゃああんた同業者!?」
「そんなに欲しいんだったら城から取って来なさいよ!」
青年は目を閉じ額に左の人差し指を当て俯いた。
「・・・・・・違う。その剣は私のものなのだ」
と言った。
「嘘!?」
「どういう事!?」
青年は続けた。
「その剣は十二神器の一つ神剣バルムンク、我がオード家に伝わる神器だ」
二人はハッとして顔を見合わせた。
「って事は貴方は・・・・・・」
「イザークのシャナン王子!?」
「そうだが」
「素敵ーーー、本物なのねーーーっ!」
「あたしファンなのーーーーっ!」
シャナンは飛びついて来た二人を手で制しつつ冷静さを失わない声で言った。
「・・・・・・とにかく返してくれないか」
それに対しパティは素直に従った。
「はい」
とシャナンの手の平に返した。
「これがバルムンクか・・・・・・」
シャナンは剣を手に取った。そして鞘の先から柄の先までゆっくりと眺めた。
「何と暖かい・・・。全身に力がみなぎってくる様だ・・・・・・」
濃紫の瞳が恍惚としている。シャナンの脳裏に今までの記憶が甦ってくる。
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