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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二話 監視役
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に相手がワイドボーンにフォーク? 嫌がらせか? 冗談じゃない、あんまり勝敗には拘らないヤンを御願いしたよ。
どうせ負けるのは分かっているからな、最初から撤退戦だ。向こうも気付いたみたいだ、途中で打ち切ってきた。いや助かったよ、あんな撤退戦だなんて辛気臭いシミュレーションは何時までもやりたくない。
しかし、なんだってあんなに俺を睨むのかね。やる気が無いのを怒ったのか? あんただって非常勤参謀と言われているんだからそんなに怒ることは無いだろう。俺はあんたのファンなんだからもう少し大事にしてくれ。今の時点であんたのファンは俺、アッテンボロー、フレデリカ、そんなもんだ。ユリアンはまだ引き取っていないんだからな。
しかし、最初の配属先の上長がキャゼルヌ大佐か、ラッキーとしか言いようがないね。そのうち家に招待してもらってオルタンスさんの手料理をご馳走になりたいもんだ。
「申告します、エーリッヒ・ヴァレンシュタイン中尉です。本日付で補給担当部第一局第一課員を命じられました」
補給担当部第一局第一課課長補佐、それが俺の目の前に座っているキャゼルヌ大佐の役職だ。俺が申告すると大佐は立ち上がって答えてくれた。
「うむ、よろしく頼む」
良いね、キャゼルヌ大佐の声は明るい、そして力強さを感じる。こういう声の男には悪人は居ないだろう。そう思わせる声だ。
「ヴァレンシュタイン中尉はミハマ少尉の隣に座ってくれ。分からない事は彼女に訊いて貰えば良い。ミハマ少尉、こっちへ来てくれ」
キャゼルヌ大佐の声に若い女性が立ち上がって近付いて来た。年齢は二十歳前後、両頬にエクボが出来ている。可愛らしい感じの女性だ。
「ミハマ少尉、ヴァレンシュタイン中尉だ。中尉は亡命者だからな、分からない事が多々有ると思う。相談に乗ってやってくれ」
「はい、ミハマ・サアヤ少尉です。よろしく御願いします」
「こちらこそよろしく御願いします」
ミハマ・サアヤ……、美浜、御浜かな、沙綾、紗綾、それともアヤは彩だろうか。元をたどれば日系か。何となく親近感が湧いた。眼は黒で髪は少し明るい茶色だ。元の世界でなら染めてるのかと思ったに違いない。
笑顔も可愛いけれど声も可愛らしい女性だ。うん、良いね、楽しくなりそうな予感だ。俺もにっこりと微笑んだ。不謹慎だと思うなかれ、命からがら亡命したのだ、そのくらいの御褒美はあっても良い。
イゼルローン要塞で殺されそうになった。俺を殺そうとしたのはカール・フォン・フロトー中佐、カストロプ公の命令だと言っていた。そして俺の両親を殺したのも自分だと……。妙な話だ、あれはリメス男爵家の親族がやったのだと俺は思っていた。だがそうではなかったらしい。
カストロプ公が何故俺の両親を殺したのか、よく分からない。何らかのトラブルが有った筈
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