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フロンティアを駆け抜けて
子供たちの決意
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ろで、浮遊するソファに座った白衣に白髪、手にした小型端末を弄る祖父が控えている。相変わらずこの部屋で会うとどこの悪の組織かと思ってしまう。まあ母親と祖父は元々悪の組織に属していたらしいが。

「……パパ、話って何」

 あまりダイバは両親と話すのが好きではない。さっさと要件を聞いて寝たかったので単刀直入に聞く。

「何、大したことじゃねえさ。お前はこのフロンティアの大事なテスターだからな。いくつか感想を聞いときたくてな」

フロンティアはまだ一般公開されていない。今はまだバーチャルポケモンや、フロンティアの設備に欠陥がないかどうかのテスト期間中であり、ジェムが特別に呼ばれたのもそういう背景がある。ダイバも同じだが、彼の場合は更に特別な事情があった。

「バーチャルのポケモン達は僕が最終調整したのと同じ強さで機能してる。グランパの作ったポケモンがおかしくなるわけない」
「とぉーぜんですね。私が発明し、我が孫と何年も調整し続けた技術の結晶に狂いなぁーどあり得ません」

 グランパ、のところでダイバはティヴィルを見る。ダイバはティヴィルの事を昔からそう呼んでいた。フロンティアの中心となるバーチャルポケモンシステムはティヴィルの作ったものであり、ダイバはそれ相手に物心ついた時にはメタグロスやサーナイトと戦っていた。最初はほとんど見ているだけだったが段々と指示を出し、一緒に戦い、今ではメガシンカを使いこなすまでに操ることが出来るようになった。その過程でバーチャルポケモンもまた、本物のポケモンと遜色ない戦いができるほどに進化していったのだ。

「そうか。ならブレーンにたどり着く奴すらなかなかいないのも納得ってところだな」
「ふん……あの程度のポケモンを倒せないやつらばっかり集めてよかったの?」

 バーチャルポケモンは機械で出現させているがゆえに、ティヴィルの意思で強さをコントロールすることが出来る。今のフロンティアではバーチャルポケモンのレベルは最大値の半分である50に統一していた。そしてその程度なら、ダイバはバーチャルポケモンなど赤子の手をひねる様に倒せる。だからこそ、それを倒せず苦戦するジェムやその他のトレーナーには少なからず失望させられていた。

「構わねえよ。難攻不落であってこそ挑戦しにやってくるもんさ、トレーナーって連中はな」

 人差し指で自分のこめかみをトントンと叩いて見せるダイバの父親。表情には絶対の自信が浮かんでいる。その理由を傍らの母親が解説する。

「テスターとして一部のトレーナーを完全無料で招待し、難易度と攻略性の高さを示すことで一般公開でたくさんのトレーナーに来ていただく……という戦略ですね。ダイ君があっさり倒せてしまうのはずっと昔から戦ってきたのと何よりダイ君が優秀だか
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